豪華ディナーとドンペリを無銭飲食し逮捕されたホームレス男性に同情の声集まる(画像は『Jersey Evening Post 2017年11月17日付「Homeless man enjoyed steak and a bottle of Dom Pérignon at a Jersey hotel - then left without paying」』のスクリーンショット)

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イギリス海峡に位置するタックス・ヘイヴン地域として知られるチャンネル諸島のジャージー島で、ひとりのホームレス男性が5つ星ホテルで無銭飲食し逮捕された。食い逃げで批判されるかと思いきや、世間からは同情の声が寄せられている。地元メディア『Jersey Evening News』や英メディア『Metro』などが伝えた。

9月28日の午後8時頃、ジャージー島のセント・オーバンにある5つ星ホテル「Old Court House(オールド・コート・ハウス)」で、マイケル=アンドリュー・フィリップス(52歳)が2階のバーエリアに座っているところをホテル従業員に目撃された。

従業員はフィリップスに「食事をオーダーしないのならばそこに座るべきではない」と伝えたため、フィリップスは前菜にエビのカクテル、メインにリブアイのステーキを注文しワインとドンペリを飲んだ。

フィリップスは食事代金の支払いをせずに宿泊したい旨をスタッフに伝え、身分証明として運転免許証を提示した。従業員は部屋を用意し、フィリップスはワイン2本を手に部屋へと向かった。

ところが翌朝、フィリップスの姿は見当たらず予約した部屋で寝た形跡もなかったことから従業員が警察に通報、フィリップスは逮捕となった。豪華なホテルでの無銭飲食代と1泊150ポンド(約22,000円)の宿泊代金は総計400ポンド(約59,000円)であったが、フィリップスは住所不定のホームレス生活をしており、無銭飲食の罪を認めたものの、警察に「あの夜のことはあまり覚えていない」と話したという。

治安裁判所では、フィリップスの弁護人は「被告は精神疾患を抱えており当時は適切な薬を常用しておらず、複数のホームレス宿泊施設からも宿泊を拒否されている」と述べた。ブリジット・ショウ判事は「きちんと薬を飲んでいれば2度とこのようなことはしないであろう」と話し、裁判所はフィリップスに保護観察サービスの監視のもと直ちに地域の精神衛生サービスに出向くよう指示し、宿泊施設を見つけるよう手配を整えた。またホテル側への損失費と弁償費用の支払いをすること、向こう12か月間は品行方正でいることを命じた。

このニュースを知った人からは「普通ホテルならチェックイン時にスタッフがクレジットカードを確認するでしょう? なんでしなかったの」という疑問の声もあがっているが、「束の間の贅沢なご馳走か。それもいいんじゃないの」「従業員が、バーにいただけの彼に食べ物を注文しろといったからそれに従っただけでは? 何でもかんでも客から金を取ろうとするホテル側もどうかと思うけど」「それにしても高いホテルだな」「こんなふうに逮捕されるまでヘルプを得られなかった彼がなんだか気の毒。今後はちゃんとサポートが得られるといいね」「ホームレスに宿泊を提供するぐらいの親切なホテルなら、ぐんと評価が上がったと思うけど」「この男性、きっと行くところがどこにもなかったんだろうね。かわいそうに」といった同情の声があがっている。

画像は『Jersey Evening Post 2017年11月17日付「Homeless man enjoyed steak and a bottle of Dom Pérignon at a Jersey hotel - then left without paying」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)