時給の概念は大局を見落とす

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 こんにちは。東條才子と申します。昼は普通のOL、夜は、という言い方はあまり好きではございませんが、富裕層男性の「愛人」をしております。前回では「愛人契約を取りたいなら、時給概念を捨てよ」とお伝えいたしましたが、今回はその実践編でございます。

◆「時給」概念を捨てて高額愛人契約にこぎつけた、生々しいケーススタディ

 現在、私を最も経済的に支えてくださっているお客様は、60代のAさんでございます。

 彼は企業の役員を退き、本来なら悠々自適といったところでございますが、講演であちこち飛び回っているのでお忙しいんですね。そんな忙しい彼ですから、初めて会ったときから、私は「長期戦」を覚悟しておりました。

 2週間に1度お会いする程度のAさんに、数回デート(顧客訪問)しただけで、契約の話を進めるのはご法度だと考えたからです。急いては事を仕損じる。時給いくらの考えで、何度も地道なデートをしたのに「全然契約してくれないじゃん!こんなに我慢してデートしてあげてるのに、時給を上げてくれない!」とキレてはいけません。

 前回もお話しましたが、富裕層男性は、近寄ってくる女性が自分の「お金目当て」だと判断すると、すぐに離れて行ってしまうからです。金銭面だけでなく、自分の「男としての価値」を見て欲しいのですね。

 Aさんは、私と会えない代わりに、出張先から何度も電話をかけてこられました。もちろん、電話している間に「時給」は一切発生いたしません。

 普通の女性であれば、「このおじさん、電話ばっかりかけてきて、ウザい」と感じるところでしょう。が、私はプロの愛人業をやっておりますので、そうは考えませんでした。

 Aさんからの電話は決して無視せず、とことん会話や思い出話につきあったのです。そうすることで競合他者(他の女性)とサービスの差別化を図り、彼のニーズを満たそうと考えたのですね。もちろん、時給はゼロ円ですから、ここまでは私の赤字です。

 彼は次第に、電話に付き合ってくれる私の「サービス」にどっぷりハマり、私と会話すると癒されるというメリットを実感されるようにあいなりました。それが分かったので、私は一気に交渉を進めたのでございます。

◆「私は誰とも付き合う気がないし、結婚する気もないの」

 そしてその後の、久々の顧客訪問(デート)の際、彼は私のことを「本当に好きだし、愛している」とおっしゃいました。20以上も年下の女性に、ロマンチックなことをおっしゃる既婚男性の扱いは難しいのですが、ここからが愛人業の腕の見せどころでございます。

 私は、「Aさんの気持ちは本当に嬉しいけど、私は誰とも付き合う気がないし、結婚する気もないの」と申し上げました。実はこのメッセージ、電話の最中もさりげなく、サブリミナルメッセージのようにお伝えしていたものです。

 私が「愛している」と言わないことに、Aさんはショックを受けておられるようでした。

 そこで私は続けます。

「私はあなたに、精神的に依存しています。あなたと話していると楽しいし、ずっと一緒にいたいとも思う。でもあなたが既婚者であることは最大のネックである上に、私の親も、年齢の離れたあなたとの交際は認めたくないでしょう」

 要はあくまで、金銭を介した「愛人」としてお付き合いしてほしいということです。「過去に辛い恋愛をして、もう2度と特定の異性を愛すまいと決意したのだ」と、お涙頂戴のエピソードも披露したのはここだけの話でございます。

 すでにAさんは、私が幾度も、無償で長電話にお付き合いして差し上げたことで、私を「なくてはならない存在」だと認識されているようでした。

 他の競合女性がやらない、採算度外視の行動をとったがために、Aさんは私を「重要な商品を仕入れる主要取引先」として認定したわけです。ところが、「本当に欲しいモノをなかなか売らない」私に、Aさんは焦ります。

「一体、何をすれば東條才子を手に入れられるのだ」

 答えは簡単でございます。

 お金を積んで、愛人契約をしていただければよいのです。サブリミナルメッセージとして、「恋愛や結婚をする気がない」という気持ちを伝えておりましたので、Aさんと私は、体の関係なしの「プラトニックなつながり」を重視した契約を結ぶことになりました。

 今では、私の生活全般を支えてくださっているAさんには大変に感謝しております。採算度外視で行動することが、結局は自己のためになる。そんなケーススタディでございました。

<文・東條才子>