「ドラマアカデミー賞」監督賞に選ばれた大根仁

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深夜ドラマを経て、ゴールデンタイムのドラマに初挑戦した大根仁氏が、夏クールのドラマを対象にした「第94回ドラマアカデミー賞」監督賞に輝いた。

【写真を見る】瑛太演じるゴローらの活躍が描かれた「ハロー張りネズミ」/(C)TBS

ドラマ「ハロー張りネズミ」では、弘兼憲史の同名漫画をドラマ化し、東京・下赤塚にある「あかつか探偵事務所」で働くゴロー(瑛太)が、相棒の木暮(森田剛)、蘭子(深田恭子)、所長のかほる(山口智子)らと共に難事件に挑む姿が描かれた。今作では、全話の脚本と演出を担当し、大きな評価を得た大根氏に受賞の感想を聞いた。

――最優秀監督賞受賞のお気持ちをお聞かせください。

最初で最後のゴールデン・プライム帯のドラマのつもりで作ったので、このような賞をいただき、光栄です。また全話脚本・演出という、従来のテレビドラマの制作体制にはありえないスタイルを受け入れてくださった、TBSの皆様に感謝します。ただ、視聴率という結果を残せなかった事に関しては、曲がりなりにもプロとして、申し訳なく思っています。

――投票された方からは、「大根監督らしいスタイルで撮り切ってくれた」と喜び声を多くいただきました。今回の作品でこだわった点や、貫いたことなどを教えてください。

これまでやってきたことの集大成であることと、今までやってこなかったことの両立を目指しました。また、どこかで観たことのあるドラマ感と、観たことのないジャンルレスなシリーズ構成の両立ということも意識しました。あとはまあ、技術的な面で通常のドラマではありえない、あれやこれやにも挑戦したのですが、この話はあまりにもマニアックかつ、長くなるのでやめておきます。

――これまで、深夜ドラマを多く撮られ、最近では映画制作が主な活動拠点だったと思いますが、今回、プライム帯のドラマを撮り終えての率直な感想を教えてください。

深夜ドラマや映画は、ある程度は視聴者や観客の顔が見えるのですが、プライム帯のドラマは様々な観られ方(リアルタイム、録画、オンデマンド他)があるので、それを想像するのが難しかったです。プライム帯のドラマを作り続けている方々は、常にそれと向き合いながら様々な模索をされていると思うと、まるでファミレスのグランドメニューの新作をずっと作り続けているような、大変な苦労をされているのだなあと。そんな感想です。

――「あかつか探偵事務所」のメンバーで、これまで一緒にお仕事をされたことのある瑛太さん、森田剛さんとお仕事をして、改めて感じた彼らの魅力、また、撮影秘話などを教えてください。

瑛ちゃんは、映画・ドラマ・舞台とあらゆる場所で主役を張れる稀有な役者でありながら、個人的な友だちでもあります。これからも長い付き合いになるんだなあと再認識しました。剛とも長い付き合いですが、改めて“ピカレスク”を演じられる日本の芸能界ではとても貴重な存在であることを再認識し、コイツとも一生仕事をしていくんだろなあと、思いました。撮影秘話はたくさんありますが、どれもこの場で言えるようなことはありません。

――「あかつか探偵事務所」の女性メンバーの深田恭子さん、山口智子さんの魅力、また、撮影秘話などを教えてください。

山口さんとは今回の仕事を通じて、公私を越えた仲になれたと勝手に思っています。自由気ままに生きている印象とは裏腹、台本に書かれたビックリするほど細かいメモが忘れられません。年長者として、常に現場のムードメーカーであろうとする姿がとても素敵でした。深キョンは、あまりにもイメージ通りのキュートな方で、その場にいるだけで空気をピンク色にしてしまう“深キョンマジック”に驚きました。あと「私、食いしん坊なんですよ」と言った時の顔が忘れらません。

――投票した方からは、「毎回違うテイストで楽しませてくれた」という意見をいただきました。印象に残っているエピソードなどを教えてください。

どのエピソードも印象に残っていますが、4・5話のホラー回「ママ、寂しかったの」と、森田剛と國村隼の2ショットで押し通した8話の「残された時間」は、自分でも手応えがあったし、色々な方に褒められたので、嬉しかったです。でもまあ、いちばん好きなのは1話「代理娘」ですかね。ビターな味付けがうまくできたのではないかと、自分では思っています。

――脚本と演出を全てご自身でやられていましたが、全10回を終えてみての感想をお聞かせください。

疲れました。テレビドラマが長い時間をかけて作り上げた、プロデュース・脚本・演出の分業システムは、やはりよく出来ているなあと。最初で最後と言いながら、またいつかプライム帯ドラマには挑戦したいと思っているのですが、次はちゃんと従来のシステムの中で、自分の持ち味を出すやり方を考えたいと思います。(ザテレビジョン)