<記者コラム:オトゴト>
 先日、『第68回NHK紅白歌合戦』(12月31日)の出場歌手が発表され、初出場10組を含めた46組が出場歌手として出演することが決まった。毎年の大晦日恒例の歌番組として半世紀以上に渡り日本ではすっかり定着している紅白だが、海外ではどう見られているのか? 過去の報道事例を紹介するとともに、海外との年末行事の違いについて簡単に触れたい。

韓国の報道

 まず、今年の反応。韓国、日本、台湾出身の9人のメンバーで構成されるTWICEが、6年ぶりに韓国を拠点に活動するアーティストとして紅白初出場を決めた。2015年に韓国でデビューし、彼女たちの3rdEPに収録された「TT」の中で指で泣き顔を作る“TTポーズ”はTwitterなどのSNSで日本デビュー前から人気となっていた。

 韓国の「中央日報」は17日、TWICEの紅白出場決定を受け、日本人メンバーのサナが幼少期に日本の音楽バラエティ番組を観た祖母から「こんな番組にサナが出たらどんなに良いだろうか」と言われた一言で歌手を目指したというエピソードを報じた。

 その中で紅白について「毎年大晦日に放映される『紅白歌合戦』はその年の最高の歌手が出演する大衆的な音楽番組だ」として、「TWICEが第2の韓流ブームの先頭に立つか期待が寄せられている」と彼女たちの出場によって、再び韓流ブームが日本中で巻き起こる起爆剤となるか、注目している模様。

過去の報道、欧米メディア

 1990年の『第41回NHK紅白歌合戦』にはポール・サイモンが映像出演し、シンディー・ローパーも来日出演して話題となった。スコットランド出身の歌手、スーザン・ボイルが、2009年の紅白に出場した際には英メディアの「INDEPENDENT」は「日本の赤と白の戦いに、新しい風を吹き込むボイル」という見出しで彼女の出演を報じた。この中では紅白の歴史や視聴率まで詳しく報じられていて、当時の報道を通して、紅白を知った海外の人も多いのではないだろうか。

 2011年、東日本大震災の起こった年末の紅白にはレディー・ガガがビデオ出演した。米メディアの「THE WALL STREET JOURNAL」は、ガガの出演を報じ、紅白について「日本の家族は大晦日にテレビの前に座って『紅白歌合戦』を観る」と説明した。

大晦日、海外では

 ところで、そのガガはその年のその日、ニューヨーク・タイムズスクエアでおこなわれる毎年恒例のカウントダウンイベントに出演。このビデオパフォーマンス収録を、そのイベント前におこなったという。

 世界最大級のこのカウントダウンイベントに米国内外から集まる来場者の数は、毎年約100万人とも言われている。昨年のタイムズスクエアでのミュージックパフォーマンスには、マライア・キャリーが特別出演した。

 また、英・ロンドンではテムズ川付近で年越しと同時に花火が打ち上げられる。日本では夏の風物詩として捉えられる花火だが、英国では11月5日に「ガイ・フォークス・ナイト」と呼ばれる16世紀の国王爆殺未遂事件を未然に防いだことを記念する行事で花火が打ち上げられる習慣もあり、冬の風物詩と捉えられている。

 そのほか、ロンドンではナイトクラブなどでカウントダウンイベントが開催され、家族や友人などとともに外へ出て年を越すことが多い。そういう意味では、日本の紅白を見てそのまま、こたつで家族とともに年を越すということは珍しく捉えられるのかもしれない。

 しかし、最近では東京・渋谷などの繁華街で年を越す人々も増えてきたようで、去年は渋谷のJR渋谷駅前にあるスクランブル交差点や道玄坂を「歩行者天国」として歩行者に開放する交通規制がおこなわれた。

 日本でも『COUNTDOWN JAPAN』や、『ジャニーズカウントダウンライブ』など年越しのライブイベントがおこなわれているが、グローバル化する世界の中で、東京でもニューヨークやロンドンのように、街中での大規模なカウントダウンイベントがおこなわれる日も近いのかもしれない。【松尾模糊】

参考URL
http://japanese.joins.com/article/557/235557.html?servcode=700§code=720
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/news/boyle-to-breathe-new-life-into-japans-red-and-white-battle-5514920.html