にながわ・まさひろ/1951年横浜市生まれ。作家の三島由紀夫が割腹自殺した70年の「三島事件」に触発され民族派運動に参画。師・野村秋介が主宰した右翼民族派団体「大悲会」第2代会長などを経て現在は出版社、二十一世紀書院の代表を務める。

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週刊ダイヤモンド11月18日号の特集は「右派×左派 ねじれで読み解く企業・経済・政治・大学」。“ネトウヨ”(ネット右翼)の台頭など社会全体の右傾化が叫ばれて久しい。政治の世界でも憲法改正を掲げる安倍政権の1強が続く。だが、こうした右傾化、保守化の動きに、当の右翼団体が実は違和感を感じている。今も民族派運動を続ける蜷川正大氏に話を聞いた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 重石岳史)

安倍首相は憲法改正を主張するが
果たして本当の意味での保守なのか

――現代日本の保守あるいは右派と呼ばれる勢力をどのように見ていますか。

 正直に言って戸惑っています。10月の衆院議員選挙でも、「真の保守」とか「改革保守」といった言葉が飛び交い、日本における保守の定義とはいったい何なのだろうかと考えました。

 おそらく自民党も希望の党も、保守を自称する国会議員の多くは、戦後の55年体制を保守する人たちなのではないかと思う。安倍晋三首相は憲法改正を主張していますが、ただ自衛隊を認めさせることだけが果たして本当の意味での保守なのか、僕らは疑問に思うわけです。

 われわれ民族派が何を保守しようとしているのか。それは日本の伝統文化であり、その原点である御皇室の存在です。これらを守ることこそが、真の保守だと思う。

――日米安保条約も保守の対象なのでしょうか。

 1960年代の安保闘争で、ほとんどの右翼が日米安保堅持の側に回りました。なぜなら戦後の公職追放により、民族派の右翼陣営が少数派で力もなかったからです。ソ連や中国の共産主義の脅威が目の前に現れ、日本国内でもその時代、「アカにあらずんば人にあらず」という風潮がありました。

 右翼陣営は社会主義者や共産主義者に人数で負けていたので一時、任侠団体を動員した時代もありました。多くの右翼はそのときに「米国と一緒になってアジアに反共の防波堤を築かなければならない」と日米安保を是認したのです。

――今も日米安保は必要ですか。

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