残留への期待を背負って就任した石井監督だったが、初陣は敗戦。降格は免れない崖っぷちの状況へと追い込まれた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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[J1リーグ32節]仙台 3-0 大宮/11月18日(土)/ユアスタ
 
 シーズン2度目の監督交代をカンフル剤に、3連勝でJ1残留を――。そんな想いは無残にも打ち砕かれた。強みを出せないまま3失点を喫し、ゴールネットを揺らせずに敗北。甲府が新潟に敗れて今節の降格こそ免れたが、状況は絶望的だ。
 
 試合後、記者会見場に現われた石井正忠監督は15,533人が入ったスタジアムの雰囲気を「非常に良い環境でサッカーができたのは嬉しいが」と前置きして、「大宮のサポーターたちの期待を裏切る試合をしてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と続けた。
 
「残り3試合、3連勝を目標にしていたので、この負けは非常に残念。試合内容としては前半から後ろ向きなプレーが多くなってしまい、球際でも仙台に上回られて、セカンドボールの反応も劣っていた。自分たちでボールを保持することがなかなかできず、それが最後まで響いてしまったと感じている」
 
 とりわけ、守備面でのちぐはぐさが目立っていた。1トップ+2シャドーに加えて左右両ウイングバックが高い位置を取る相手の攻撃に四苦八苦。ピッチの横幅を上手く使われてスライドが間に合わず、後手に回り続けた。
 
「どういうタイミング、どの高さからプレッシャーを掛けるのかが上手く整理されないままゲームに入ってしまったのは、自分の責任。もっと詰めていかないといけない。後半はプレスの開始位置を高く設定して大きなサイドチェンジをされないようにしたかったが、それも上手くいかなかった」
 
 では、攻撃面はどうか。ペナルティエリア脇を起点にする、鹿島で石井監督が披露したサッカーを感じられるシーンは確かにあった。ただ、それもあまりに儚く、時間が進むにつれて“石井スタイル”は霧散していった。
 
「自陣にバックパスする回数が多くなってしまったので、前を向いてプレーすること。そのためには受け手も前を向けるポジションをしっかりと取る、前の動き出しももっと必要だ」
 
 大宮は残留圏まで勝点6差。とにかく、もう勝つしか道はない。次節までにどれほどの修正を加えられるか。首の皮一枚、しかも千切れかけの状況を救う手立てはあるのだろうか。気が付けば、“残留”よりも“最下位”が近付いてしまった。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)