このサイトの裏テーマとして、今人気を博しているバンドが何故売れたのか?どういった要因が噛み合って人気につながったのか?そういうことを考え記事にする、という側面がある。

 あるバンドは歌詞性が世相とマッチして売れた。あるバンドはタイアップが成功を収めて売れた。あるバンドは顔があまりにも醜悪で話題となって売れた。誰の事かは言いません。想像してください。紅白歌合戦楽しみですね。

 そういう勝手な分析の集合体がこのサイトなのだが、見かけるたびに漫然と「なんで売れてるんだろう…」と胃で消化されない感覚にこちらを落とし込んでくるバンドがいる。THE ORAL CIGARETTESだ。

 なぜ俺がこういった記事ばかり書くのかと言うと、とりあえずでいいから理解したいからである。というか、わかった気になりたいのだ。ナオトインティライミは人間性が土台からぶっ壊れてるから成功したとか、そうやって要因の一つ、言いがかりの一つでもつけてとりあえずの納得を得られればその対象に対してのモヤついた気持ちから解放されるのだ。本当のところはどうなのか何故売れたのか知りません。たぶん、実際はいろんな要因が積み重なってのものなんだろうけど、主だったものを一つ理由にして納得できれば人間は安心なのだ。とりあえず納得したいから俺は考えるし、とりあえず納得したいから読む人は読む。そういうサイトだこれは。

 なのだけれどTHE ORAL CIGARETTES、彼らが売れてる理由が本当にわからない。嫌いとかそういうことじゃない。ビル立ち並ぶ繁華街の並びに3/4死んでるようなヨッボヨボヨボのおばあちゃんがやってる金物屋を見つけてしかも人が入ってる様子を目前としたときの

「なぜ…」

 という困惑。スタンプで表すならこう。


ニャロメロン先生の週刊メロンコリニスタスタンプより

 

 わからんのです。試しにTHE ORAL CIGARETTES 人気 理由で検索したら2年前の自分の記事が出てきました。望み途絶えると書いて、絶望です。溺れる者は藁をもつかむと言うが、溺れて右手で自分の左手を掴んだような気持ち。助けろ。しかし出てきたものは仕方ない。読んでみました。要約すると

・顔がいい
・売れ線の音楽性
・ライブがいい
・手の動きがおもろい

 当時の俺もいささか論拠に自信が持てなかったようで記事の終わりも「俺はたぶんこうだと思うけど…後はもうみんなで考えて…」といった風に全く自身なさげである。必死に理解しようとした痕跡が見える。この死体、間際に激しく抵抗した痕跡がありますね警部。俺が鑑識ならそうも宣う有り様。

 今読み返せば上の4つは一つも決定打と呼べる代物ではない。まず顔。顔が良くて曲が良くても売れてないバンドなんて山ほどいる。良いに越したことはないが、売れてるバンドのボーカルなんかよく見りゃナマズだったり吉田沙保里だったり小籔千豊だったり、そんなもんである。誰かとは、言わない。顔なんかPhotoshopやMVの加工やファンの色眼鏡でなんとでもなる。バンドのファンの女子は髪の長い男が楽器弾きながら必死に歌ってさえいれば自動的に股の湿度が上がるようになっているのだ。きったねえピタゴラスイッチ。切れ。

 売れ線の音楽性、というのも弱い。前述の記事内にもあるが「売れ線だから売れる」なんてのは「テニスサークルに入ればモテる」ぐらい間違っている。成功に近づくための要素の1つだが、それだけで上手くいくならだれも苦労しない。

 

 そもそも今や彼らの音楽、売れ線ですらない。むしろ歌い方にクセがありすぎて拒絶反応を起こす人も少なくないと思われる。

 何に似てるかなこれ…と色々考えてみたんですけど、ラルクアンシエルですね。ラルク。歌い方が〜とかじゃなくて曲の展開とかリズムパターンとかメロディラインが中期ラルクのリード曲っぽい。ken作曲っぽい。というか調べたらヤマタクL’Arc〜en〜Ciel好きらしい。どうりで。

 そう思うと2017年じゃ真新しいわけでもないし、音楽的に尖ってるわけでもなく、売れ線でもない。俺もラルク好きだから曲自体は好きなんだけど、売れる理由…?と考えると話はべつ。音楽性の極端さで売れたとは考えづらい。

 

 ライブと手の動きに関しては、あのですね、売れてるバンドってほとんどライブ上手いんですよね。

「あのバンドライブが良いんだよ本当に」

 そんなんね「私の彼氏、指5本あるの」みたいな話になってくるわけよ。

 その中にも特に特にライブが良いバンドっていうのはメジャーにもインディーズにもいるんだけれど、ライブが良いからって売れないし、比べるのは失礼だけれど本当にメチャクソにライブが上手いバンドと比べたら売りになるほどの上手さではないと。(ハタケカカシVSうちはマダラみたいな話です)(めちゃくちゃ上手い人VS超ウルトラめちゃくちゃ上手い人みたいな話です)

 もっと言えば、かじる程度でもバンドをやったことある人なら

「ヤバいTシャツでも売ってんのかよ」

 と思うぐらい下手なバンドでも大盛り上がりしてる光景を何度でも見たことがあるし、ファンにとって上手さとかライブの良し悪しって判別つきにくかったり、重要でなかったりするものだと。少なくともあんまりライブに行ったことのなかった子供の時分は自分も良く分からなかったし。音楽の良し悪しってそこじゃないし。

 こうなってくると本当によくわからない。何が、なぜ。ルックスもアー写もV系寄り。ほかの邦楽バンドと持つ雰囲気が違いすぎるし。歌詞もコクトー詩集クラスの意味不明詞。共感を得て売れてるわけでもない様子。それでですよ。困り果てて色んな人に

「THE ORAL CIGARETTESって何で売れてるの」

 と訊いて回ったら、みんなが口をそろえて

「うーん…ヤマタクがすごく良い人だからじゃない?」

 そんなばかな。イソップ童話かよ。

 しかし彼と直接面識がある人も、間接的に伝聞で話を知る人も、みな口を揃えてこう。本当に聖人のような人格者らしい。ええ…

 だが自分の中に納得のいく答えがない以上信じるほかない。オーラルが売れたのは、山拓が良い人だからです。

 でもまああながち大それた話でもないと思う。性格やら素行やらがハチャメチャすぎて音楽やら芸能業界から干されたなんて人の話は逆によく訊くわけだし、バンドの対バンとかって結構交友関係から決まることも多い。

 さっきから売れる理由ばかり探して悩んでいたが、逆を言えば明確に”売れない理由”というのもないのである。強いて言えば声の癖が強いから倦厭されてしまうことがありそうなくらい。

 人柄で掴んだチャンスを実力が逃さなかった。そういう成功だと思いますこのバンドに関しては。あとやっぱり顔面は正義。

 納得していただけましたか。俺はいまいちしてません。

 それでは。

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