伊藤大司【写真:編集部】

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初凱旋のPG伊藤に、古巣からの惜しみない拍手と「大司コール」が送られる

 男子プロバスケットリーグ「Bリーグ」は17、18日にB1第9節が行われ、東地区首位のアルバルク東京と同4位レバンガ北海道の対戦は、1勝1敗の五分(76-81、89-69)に終わった。

 このカードに特別な想いを抱いていたのが、今年9月にA東京から北海道に期限付き移籍したPG伊藤大司だ。

 伊藤は中学を卒業後、アメリカの強豪校モントローズ・クリスチャン高に留学。現在、NBAのスーパースターとして君臨するケビン・デュラント(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)や元NBA選手のグレイビス・バスケスらとともにプレーした。その後、進学したポートランド大卒業を機に日本に戻ってきたが、アルバルク東京(当時トヨタ自動車アルバルク)はそこから7年間を過ごした古巣である。

 移籍後初の凱旋ゲームとなった17日の試合では、試合前の選手紹介で名前が呼ばれると、敵地ながらも古巣のブースターから惜しみない拍手と「大司コール」が送られた。第1ピリオド途中から登場して2アシストを挙げ、チームも81-76で勝利したが、出場時間は9分にとどまり、試合後には「少し空回りしてしまった」と反省の弁を述べた。

「試合前の練習で、チームのみんなが『大司のために勝とう』と言ってくれた」

「正直、(古巣との対戦は他の試合と)全然違いました。気持ちが違い過ぎて、少し空回りというか、個人的な内容は満足のいくものではないです」

 古巣との対戦を数多くある中の一試合と捉える選手もいるが、「全然違う」と言い切ってしまうあたりは、デュラントらからも愛された伊藤の人柄をよく表している。そして、試合前にはチームメイトから古巣との初対決を迎える伊藤に“サプライズ”があったという。

「実は、試合前の練習で、チームのみんなが『大司のために勝とう』と言ってくれたんです。心から嬉しかった。勝つために、いつも以上にハッスルして、ハードにプレーしてくれたので、そこは心から感謝したいですね。古巣のチームを倒すのは正直嬉しいというか、勝ててホッとしています」

 チーム全員の「伊藤のために」という想いは、立ち上がりからの激しいディフェンスに凝縮されていた。もちろん、かつて大きな後押しを受けたA東京ブースターからの声援についても、「いや、本当に嬉しかったです。彼女的な気持ちとでも言いますか……(笑)。プレーで恩返ししていきたいと思います」と感謝を忘れなかった。

 31歳を迎えるシーズンに、新たな挑戦として移籍を決断した伊藤。応援してくれる人々に成長した姿を見せるべく、全力疾走を続ける。