弁護士・柳原桑子先生が、堅実女子のお悩みに答えます。今回の相談者は梅田宮子さん(仮名・40歳・メーカー勤務)

「35歳から5年間付き合った彼がいます。彼は私より2歳年上ですがバツイチです。

そもそも、結婚を前提としたお見合いで会ったので、最初から結婚するつもりだと思っていたんです。でも、結婚の話をすると“いずれ結婚はするけど、今じゃないよね”、“将来は結婚するんだから、もう少し2人の時間を楽しみたい”など、とズルズルと先送りされてしまいます。

私から、“私は子どもも欲しいので、結婚するつもりがないなら別れましょう”と過去に何度も言っています。でも、そのたびに“君が好きなんだ”とか“君がいないと生きていけない”などと言われ、私も“これ以上の好条件の男は、今からだとムリ”と、よりを戻してしまっていました。

そんなことを繰り返すうちに、あっという間に5年も時間が経ってしまい、気が付けば40歳。ちなみに彼は、きちんとした会社の正社員で、見た目も悪くありません。たまにモノを投げたり、暴言を吐いたりするような行動をしますが、貯金は3000万円以上あるし、仕事は好きだし、欠点は少ない方です。結婚してほしいのですが、まだその気はないそうです。

ただ、気になるのは先日、私の実家に遊びに行ったのですが、妹から「彼ってお姉ちゃんに対してモラハラっぽいよ」と言われたことです。“君はなんにもモノを知らないね〜”“仕方がない、僕がやってあげる”など、私の行動にいちいち恩着せがましくダメ出しして、自分の支配から逃げられないようにしていると、妹は判断したようでした。ちなみに、父も同じことを感じていたようです。

40歳にもなったことだし、今度こそ本当に別れようと思うのですが、結婚をエサに5年間をダラダラと彼と過ごしてしまったことに、強烈な怒りを感じます。そこで、慰謝料などを請求することはできるのでしょうか」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

ご相談を伺っていると、結婚は今じゃないと言われ続けたものの、婚約していたわけではない様子です。

ライフスタイルとして,男女交際のゴールを結婚と考える人ばかりではなく,結婚せずに男女交際を継続していくということを望む人もいます。

このように考え方の違いが明らかになったならば、そういう相手と別れる決断も必要。それをしなかったのは、あなた自身の判断ともいえます。

ですから、5年付き合って、結婚の合意に至らなかったという事情だけでは慰謝料は認められません。
また質問に「モラハラ」とありますが、これは恋人同士の間に行なわれるDV(ドメスティックバイオレンス)のことを指しているものと思います。暴力をふるわれたり、暴言を吐かれたりすることがこれに該当します。

質問では詳しいことが書いていないので判断できませんが、彼からあなたに対し、暴力などの事実があるならば、診断書、写真、日記等の証拠を整えること。客観的に誰もがわかる証拠をそろえてください。それを集めて専門家とその後の対策を。これにより、慰謝料を請求することはできます。

何度も結婚式場の下見に一緒に行って、その気になったところで”今は結婚の時期じゃない”と肩透かしをされていたとか……。



■賢人のまとめ
DV、モラハラ、婚約破棄……客観的な証拠を集めて、専門家に相談することが解決の糸口になります。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/