20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、千葉で家事手伝いをしている戸田光香さん(仮名・34歳)。切れ長のややつり上がった瞳に、長い髪を1つにキツく結んでいる姿はキチッとした女性という印象を受けました。服装や持ち物はモノトーンで装飾がないシンプルな物が多く、化粧っ気も感じません。どことなく女らしさがなく、ギスギスした感じがする光香さんのセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は千葉県で両親との3人家族です。父親はサラリーマン、母親は専業主婦です。うちの家族はとにかく何をするのも父親の意見が最優先で、母親と私は外食のお店さえ決めたことがありません。そのくらい父親は威厳があったというか、怖かったんです。激しく怒られた記憶もないんですが、『ダメだ!』と一喝されて、その話は終わるって感じでした。今でこそ70歳を超えて、昔よりは柔らかくなったとは思いますが、今でもそんなに会話は弾みませんね。どこかに出かけるのは母親と2人が多いです」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「高校2年の時です。バスケ部に入っていたんですが、同じ部活の1つ下の後輩の男の子からなぜか好かれて、押されまくって付き合うことになっていました。彼はお世辞にもカッコいいキャラじゃなく、笑いを取りにいくようなお調子者キャラで、一緒にいるとラクで楽しかったんです。そんなところに惹かれて、告白されて1度は断ったんですが、2度目にOKしました。そんなに押されて付き合ったんですが、彼とは1年も続きませんでしたね……。私が3年に上がってすぐくらいの時に、他に好きな人ができたと言われて振られました。私は卒業するまで彼のことが好きだったので、新しい彼女と一緒のところを見かけると辛かった記憶が残っていますね……」

大学は出会いの場に溢れ、気になる男性ができたそうですが……

大学に進学後は合コンを繰り返し、その中でいいなと思う人は現れたそうですが……。

「大学では、なぜか最初に仲良くなったグループがけっこう派手なグループで、毎週合コンをしていました。私自身も高校の彼のことを早く忘れたかったので、そのためにも新しい彼氏が欲しかったし、毎回周りに浮かないように髪を巻いて、シフォン系のワンピースなどを着て気合を入れまくってましたね。

合コンはただその場が楽しければいいような会ばかりで1年ぐらいは何もなかったんですが、ちょっと気になる男性ができた時もありました。その彼はカッコいいのに気配りができて、笑顔がかわいくてタイプだったんです。彼も私のことを気に入ってくれたみたいで、2軒目は2人で行きました。そして盛り上がってしまって、その日のうちにラブホに行ってしまって……。

その行為自体は何も問題は無かったんですが、シャワーを浴びて出てきて、ふとカバンを見たら財布が無くなっていて……。どこで落としたかも検討がつかなかったので、今まで飲んでいた店に戻ったり、警察に落し物がないか聞いたりとその日は散々でした。その間も彼は付き添ってくれていたんですが、その後すぐに音信不通になりました。疑いたくはないですけど、もしかしたら彼が財布を盗ったのかもと思ってしまっています……。負の記憶です……」

その後、やや男性不信気味になってしまった光香さんは合コンに参加することをやめ、出会いもなく彼氏ができないまま大学を卒業。飲食チェーン店の正社員として働き出します。

「仕事は毎日忙しかったです。配属されたお店はアルバイトの数が足りなくてそれを社員が補充するような感じだったので、週6勤務は当たり前で、仕事と家を往復するだけの生活がしばらく続きました。その中での唯一の楽しみといったら職場の飲み会ぐらいでしたね。みんなほぼ同じような生活パターンなので、職場の社員の仲はどんどん親密になっていきますよね。そこで最初はまったく意識していなかった4歳上の男性がいたんですが、ちょっと女性扱いを受けただけで気になっていってしまって……。

最初はみんなで飲みに行って、2軒目は2人で飲むというのを繰り返して仲良くなっていきました。他の人には内緒なので、シフトをバレないように、休みと早上がりなど、少しだけ休みがかぶる感じで出かけたりしていましたね。彼とは友人として2年以上過ごしてから付き合ったので、私の飾っていない部分も受け入れてくれたことが嬉しかったです。そんな気持ちがずっと続くと思っていたんですがね……」

社会人になり、ほとんどの時間を職場で過ごす日々。でも辛くなかったのはその彼がいたからだった。

男性不信の気持ちまで救ってくれた彼との付き合いは、結婚まで進みます。しかし、結婚生活は想像したものとは違い……。〜その2〜に続きます。