松山英樹が2年ぶりにダンロップフェニックス(11月16日〜19日/宮崎県)に出場し、予選ラウンドを首位と1打差の8アンダー、2位タイで終えた。今季国内ツアー初出場にして、ホストプロとなるこの大会で、2014年大会以来の戴冠を狙う。

 ライバルとなるのは、昨年のこの大会の覇者で、今夏の全米オープンでは猛追する松山を振り切って優勝したブルックス・ケプカ(27歳/アメリカ)だろう。実際、予選ラウンドを通算9アンダーで終えてトップに立った。

 予選2日間のラウンドを終えたあと、松山はこう振り返った。

「上位は外国人選手が多いので、負けないようにがんばらないと。スコア的には、今日のプレーは満足していますけど、内容的にはぜんぜん満足していませんし、ミスがかなり多かった」


予選ラウンドではジャンボ尾崎(右)と一緒に回った松山英樹

 松山は、予選ラウンドを尾崎将司と回った。ツアー通算94勝を挙げ、日本ゴルフ界で一時代を築いた男と、現・世界ランキング4位の男にしか分かち合えない会話というのがあるのだろう。ラウンド後、2日間をともに「67」(パー71)で回った松山に、ジャンボはこんな檄を飛ばした。

「大したことねえな!(2日間が)1アンダー、1アンダーじゃねえか」

 このフェニックスを得意としたジャンボにしてみたら、3ホールあるパー5はパー4の認識で、バーディーは獲って当たり前ぐらいに考えていたのだろう。

 一方で、いつもは重たい空気が流れる松山のラウンド後の会見中、ドッと笑いが起きたのは、ジャンボの「(松山から)来季に向けての刺激を受けた」という”現役続行”宣言を受けてのコメントだ。

「まだまだジャンボさんを驚かすようなプレーじゃない。刺激を与えるようじゃダメですよね。引退を……ね(笑)」

 つまり、ジャンボに引導を渡すぐらい圧巻のプレーをしなければ、この大会の優勝も、ひいては日本人初のメジャー制覇もない。それが、松山らしからぬジョークの真意かもしれない。

 大会を前にして、松山は「数週間前から4月に向けて、取り組んでいることがある」と明かした。松山が口にした「4月」が「来年のマスターズ」を指すことは言うまでもない。

「今年に入って、ドライバーの精度がすごく落ちている。距離が伸びて精度が落ちるのは当たり前かもしれませんが、距離を伸ばしたうえで、精度を上げないといけないと思う。今年はOBも多い。

 アイアンショットも、精度が落ちていることを自覚している。それは自分と、ロープ内にいる(キャディーの進藤)大典さんぐらいしかわからない部分。スイングも、ショートゲームも、パッティングも、すべてを試している状態。それがうまくいけば、チャンスは高くなる」

 試していることの詳細を、松山が口にすることはなかった。2日目はショットも安定していたように傍目には見えたし、長い距離のパットも入っていた。

「(ショットやパットの状態は)ちょっとどころじゃなく、悪い。まあ、ティーショットはよくない中でもミスの幅が(フェアウェーに)収まってくれていますし、少しずつよくなってきている。パッティングに関しては、今日はたまたま入っていましたけど、よかったのは(バーディーを奪った)1番と17番ぐらいじゃないですか。あとは全部悪かった」

 優勝した2014年大会では、ジョーダン・スピースと4日間を回り、デッドヒートを繰り広げた。

 3日目は首位に立つケプカと最終組で回る。メジャー王者との”世界標準”の戦いが再び繰り返されようとしている。

◆この1年「ヒデキ・マツヤマ」は世界でどう報じられたか?>>

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