1日約15万食生産、生産性を高めるには人の手も欠かせない

写真拡大

 国内外向けに冷凍ケーキを製造する五洋食品産業。2017年6月に増築した本社工場(福岡県糸島市)は外食チェーンをはじめ飲食店向けなどの製品を毎日、約15万食生産している。

 クリームの甘い香りが漂う現場は、人と機械それぞれの良さを生かしながら素材の特性を見極め、品質と生産性を追い求めている。

 冷凍ケーキの製造工程には加熱、冷却での急激な温度変化がある。現場では、素材管理から製造、保管、出荷までコールドチェーン(低温流通体系)として体系化。冷凍ケーキの特性に合わせたさまざまな低温度帯で調整しながら、素材の鮮度や風味を保つ。

 冷凍ケーキは解凍時に水分量が変化し、味が変化しやすい。それだけに 「(出荷後に)解凍する時間も工程の一部」(井上みゆき取締役)と考える。

 解凍後に最適な味にするため採用しているのが「Best解凍時製法」と呼ぶ独自製法。レシピ開発の段階から水分調整や素材の配合率などを緻密な配分で見極め、製造に反映する。

 ミキサーやオーブン、スライサーなどさまざまな製造機械が活躍する現場だが手作業を基本とする場面もある。ケーキの成形ではクリームプレッサーを使い、手際よく盛り付ける姿がみられる。

 自動化や省人化を積極的に進める食品工場もある中、田村勇気生産部部長は「品質を考えると人の手が欠かせない場面がまだある」と語る。
(文=高田圭介)