中国メディアによると、上海と雲南省昆明を結ぶ高速鉄道の滬昆客運專線のトンネルで手抜き工事が原因の出水が発生し、列車は時速70キロメートルの徐行運転を余儀なくされた。写真は中国の高速鉄道。

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中国メディアによると、上海と雲南省昆明を結ぶ高速鉄道の滬昆客運專線のトンネルで手抜き工事が原因の出水が発生し、列車は時速70キロメートルの徐行運転を余儀なくされた。中国では自国の高速鉄道が、輸出競争力でも優位に立つ「中国の新たな名刺」などとして喧伝(けんでん)されてきただけに、社会に衝撃が走っている。

きっかけは、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で貴州省情報を扱うアカウント名「貴州熱門頭条」で13日、滬昆客運專線の貴州省部分にあるトンネルで手抜き工事が見つかり、本来の設計時速300キロメートルなのに、時速70キロメートルでの徐行運転を余儀なくされていると発表されたことだった。同路線は2016年12月28日に全線開通したばかりだ。

問題が出たトンネルは、貴州省内にある北盤江特大橋の両脇にある。北盤江特大橋は「橋面の高さは300メートル」「橋脚間距離が445メートルで同タイプの橋として世界最長」「設計寿命は100年」など、滬昆客運專線の建設における技術力結集のシンボルのひとつとして語られてきたが、そのすぐ近くで手抜き工事が行われていたことになる。

微博への投稿が注目を集め、多くのメディアが同問題を追い始めた。新華社系のネットメディアである新華網などは13日、中国鉄路総公司がすでに、同問題を指摘する内部向け文書を作成していたとする記事を掲載した。施工を担当した会社が手抜き工事を行い、資料も偽造していたことや、検査機関も現場や資料をきちんとチェックしていなかったという。

トンネルで問題が表面化したのは現地で雨が多くなる6月からで、16日付新華社によると、出水がひどくなりトンネルの壁が裂けるなどして、列車運行に危険な状況が連続して出現した。

新華網は16日になり改めて、滬昆客運專線貴州公司の関係者の説明として、問題が見つかった個所について集中して処置をして工事の設計基準を満たすよう改善し、安全・安定さを確保したと報じた。

同問題を最初に指摘した微博への投稿は、日本時間17日午前9時までに確認ができない状態になった。削除されたと思われる。理由は不明。

米国議会の出資により設立されたラジオ・フリー・アジアは中国版サイトで、滬昆客運專線の建設に対して、中国共産党貴州省委員会書記だった陳敏爾氏が、工事の早期完成を指示していたと報じた。陳氏は習近平国家主席の腹心で、2017年7月15日で党重慶市委員会の書記に就任、10月の党大会で中央政治局員に昇格した。(翻訳・編集/如月隼人)