エアバッグ基布で後発の帝人、ベトナムで旭化成との蜜月は成就なるか

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 帝人は2019―20年頃をめどにエアバッグ基布工場をベトナムに設置する検討に入った。中国工場(江蘇省)で18年度に行う予定の増産計画で増設余地がなくなることから、中国工場と同等規模の工場を新設する構え。世界的に自動車のエアバッグ装着台数が増加するなか、需要の取り込みを進めていく。

 エアバッグ基布製造を手がける帝人フロンティア(大阪市北区)の日光信二社長が15日、大阪市で開いた会見で「ベトナムが一番の候補だ」と明らかにした。

 設置が決まれば2拠点目の工場となる。ベトナムにはエアバッグ関連メーカーの進出が相次いでいる。
日刊工業新聞2017年11月16日

原糸供給先の旭化成も意欲
 旭化成はベトナムに自動車用エアバッグなどに使うナイロン繊維工場を2019年度にも新設する検討に入った。投資額は100億円規模になる。全世界でエアバッグ装着車台数が堅調に伸びる中で、エアバッグ関連メーカーのベトナム進出が相次ぐ。市場の安定成長が期待でき、素材の地産地消に向けて大型投資の必要性が高まっている。

 旭化成は現在、宮崎県延岡市の工場でエアバッグの原糸となるナイロン66繊維を製造している。ベトナム進出となればナイロン繊維では初の海外生産拠点となる。19年度にも稼働する予定。年産能力は当初1万―2万トンになるとみられる。17年度中に投資の最終判断を下す方針だ。

 ナイロン繊維はエアバッグの需要拡大に伴い、これまで延岡工場を増設してきた。16年に生産能力を1割増強したばかりだが、すでに能力不足に陥っている。

 このため18年にかけて約25億円を投じて、さらに能力を1割程度引き上げる見込み。ただ、工場の増設余地は少なく、大規模な増産のために需要地の東南アジアで候補地を探していた。

 世界のエアバッグ市場は安全意識の高まりから順調に拡大するほか、タカタのリコール(無償回収・修理)問題による代替特需も素材メーカーにとって追い風だ。ナイロン繊維はエアバッグ以外にタイヤコード(芯材)にも使われている。

 ただ、旭化成が手がけるのは原糸のみ。東洋紡や東レなどは原糸から生地まで一貫生産している。原糸のみの事業形態では、生地に比べ利幅が小さいため、大型投資は慎重に検討して決断する方針だ。
日刊工業新聞2017年1月23日