世界には米国のGPSやロシアのGLONASS(グロナス)を始め、複数の衛星測位システムが存在するが、中国も「北斗」と呼ばれる独自の衛星測位システムの開発を進めており、すでにアジア諸国に向けて関連サービスの売り込みを行っている。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界には米国のGPSやロシアのGLONASS(グロナス)を始め、複数の衛星測位システムが存在するが、中国も「北斗」と呼ばれる独自の衛星測位システムの開発を進めており、すでにアジア諸国に向けて関連サービスの売り込みを行っている。

 中国メディアの重慶時報はこのほど、米アップルはiPhone(アイフォン)で日本の準天頂衛星「みちびき」への対応を行っているというのに、世界最大のスマートフォン市場である中国の「北斗」には一向に対応しようとしないと不満を示す記事を掲載した。

 iPhone 7やiPhone 8、そしてiPhone Xの位置情報に関する仕様では、Assisted GPSやGLONASSのほか、欧州のGalileo(ガリレオ)とQZSSの記載が確認できる。QZSSとは日本が開発を進めている準天頂衛星システム(みちびき)のことであり、非常に高い精度の位置情報を提供が可能なシステムだ。

 記事は、米国とロシアの衛星測位システムはすでに成熟したシステムであるため、iPhoneがGPSとGLONASSに対応するのはよく理解できると主張する一方、「みちびき」に対応しながらも「北斗」に対応しないのは納得できないと主張。

 さらに、中国は世界最大のスマートフォン市場であり、中国のスマホ市場はアップルに莫大な利益をもたらしているはずだとし、「北斗」に一向に対応しようとしないアップルの製品を排斥すべきだという声も一部で存在すると紹介。中国人としては一刻も早く、「北斗」が世界に認められ、広く使用されることを望むとし、iPhoneの「北斗」への対応に期待をのぞかせた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)