高杉真宙×葉山奨之が語る、ドラマ『セトウツミ』の新たな挑戦 「僕らなりの瀬戸と内海になった」

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 高杉真宙と葉山奨之がW主演を務めるドラマ『セトウツミ』が、現在テレビ東京「ドラマ25」枠にて毎週金曜深夜に放送されている。此元和津也の人気コミックが原作の同ドラマでは、友達が少なく部活もやらない内海想と、サッカー部を退部して暇を持て余す瀬戸小吉の2人を中心に、関西の高校生たちによる放課後の青春トークが描かれる。

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 リアルサウンド映画部では、内海役の高杉と瀬戸役の葉山、W主演を務める2人にインタビューを行い、お互いの印象や会話劇への挑戦について、さらに池松壮亮と菅田将暉のW主演で昨年公開された映画版との違いなどについて話を訊いた。

ーー今回W主演で共演となったお互いの印象を教えてください。

葉山奨之(以下、葉山):実は僕たち自身も覚えていなかったんですけど、過去に映画『渇き。』で1度共演したことがあったんです。

高杉真宙(以下、高杉):本当に全然覚えていませんでした。

葉山:ドラマの制作発表コメントでも「高杉君とは一緒にお芝居をするのが初めて」って書いてしまって(笑)。共演シーンもあったのにお互い完璧に忘れていて、今回の取材のなかで指摘されて気づきました。なので初共演のつもりで話しますが、真宙はいろいろな役を演じているイメージがあったので、まず純粋に「高杉真宙はどんな人なんだろう」と思っていました。実際に会ってお芝居を見てみたら、ものすごくポーカーフェイスだなと。僕はすぐに顔に出てしまうタイプなので、その違いもあって面白いなと思いました。最初は「いま真宙は何を思っているんだろう」と考えたりしましたけど、毎日のように撮影を重ねるにつれて、「いま真宙はこんなこと思っているんだろうな」というのがだんだんわかってくるようになって。いまはこれまで真宙と共演してきた誰よりも真宙のことを知っている自信さえ芽生えてきています。

高杉:それはあると思います。自分も今回が初めましてだと思っていたのですが、一番最初にお会いする前に瀬戸役が奨之くんだと聞いて、奨之くんなら内海役もできそうだなと思ったんです。イメージを陰と陽で分けるなら、そういう役柄をたくさん観てきたこともあって、奨之くんは陰のイメージが強かったので。でも実際に会ってみると、陽の人なんだなということに気づきました。現場でもみんなを引っ張ってくれるし、アニキ肌でもある。そういう部分で瀬戸っぽさが強くて、本当に瀬戸に似ているなと思いました。

ーー2人以外にも登場人物は出てきますが、基本的には内海と瀬戸の会話劇が肝になっている作品です。

葉山:そうですね。台本にト書きがなくて、全部セリフなんですよ。それが1エピソードにつき8ページぐらいあるので、本当に覚えるのが大変でした。2人とも台本がボロボロになっちゃって(笑)。台本をこんなに使い込んだのは初めてでした。

高杉:これまで出演してきた作品とも全然違いますね。会話で魅せるのは単純ではありますが、演技をものすごく削ぎ落としたものだと思うんです。落語もそうですが、「会話だけで魅せるのは難しい」とずっと言われてきていたので、それをやっていくのは本当に大変だと感じていました。でも自分がやってみたいと思っていたことでもありましたし、自分に足りないもののひとつだと思っていたので、今回こうやって勉強させてもらいながらやらせていただけたのはものすごく嬉しかったです。

葉山:ボケとツッコミのタイミングも難しくて。特に内海のツッコむタイミングは、わかりやすくてもダメだし、わかりにくくてもダメ。その微妙なラインを表現するには、話し合いながら、とにかく回を重ねていくしか解決策がありませんでした。何回もやっていくうちに、「こうやったら面白いんだ」というところにたどり着きました。

ーー関西が舞台ということで、セリフも関西弁です。葉山さんは関西出身ですが、高杉さんにとっては関西弁でツッコミをするというのも大きなチャレンジになったのでは?

高杉:本当に難しかったです。奨之くんをはじめ共演者が関西の方ばかりだったので、それもプレッシャーでした。僕は音をとったりするのがそこまで得意ではないので、マンツーマンで方言指導の先生についてもらいつつ、必死に練習して覚えました。

ーーオールロケというのも特徴のひとつですね。

葉山:僕にとって、連ドラでオールロケは初めての経験でした。画が変わらないし、本当に会話だけなので、チャンネルを変えられてしまう可能性もある。その制約のなかでどう視聴者の方々を惹きつけるかがテーマでもありました。クールキャラの内海に対して、瀬戸は細かい動きをつけてみたり、会話のスピードを変えてみたり、微妙な変化をつけることを意識しました。

高杉:あの場所だからこそ2人の会話のテンポを生み出すことができた部分もあると思います。とてものどかな場所で、撮影してない時はまったく音が気にならない。すごく素敵な空気が流れているんです。だから内海がずっとあそこにいる理由がすごく理解できました。オールロケなので、雨は恐怖ではありましたけど(笑)。

ーー『セトウツミ』は昨年、池松壮亮さんと菅田将暉さんで映画化もされましたが、映画版を意識することはありましたか?

葉山:僕らキャストもそうですが、スタッフさんを含め、映画版とはまったく違う『セトウツミ』にしようとみんなが思っていたので、あまり意識はしていませんでした。連ドラでやること、約30ものエピソードがあること、映画には登場していなかったキャラクターが何人も登場することなど、映画版との違いもたくさんあって、どちらかというと原作コミックを忠実に再現したと思います。僕としては、今回の連ドラ版を観ていただいて、「映画版もあったんだ」となってもらえたら嬉しいです。

高杉:僕も奨之くんが言ったように、映画版とはまったく別の『セトウツミ』ができたらいいなと思っていましたが、どうしてもどこかで映画版を意識していたところはあったと思います。でも、それによって自分はもっと頑張らないといけないと思えるところもあったので、ある意味大事なことだったのかもしれません。そういった不安や緊張を抱えながらも、僕と奨之くんにしか生み出せない空気感やテンポで楽しみながら、僕らなりの瀬戸と内海になったと思います。(取材・文=宮川翔)