Photo by Toshiaki Usami

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政界から芸能界まで幅広いジャンルでスクープを連発する「週刊文春」を率いる新谷学編集長。1989年に文藝春秋社に入社して以来、28年間にわたって培ってきた仕事術を綴った著書(『「週刊文春」編集長の仕事術』ダイヤモンド社刊)も話題を集めた。出版不況のなか奮闘著しい「週刊文春」の強さの秘密は何なのか。新谷編集長と田端信太郎・LINE上級執行役員との対談を通じて、その強さの理由や誌面作りの方針などが明らかとなる。

ジャーナリズムをふりかざすのではなく
純粋に面白い話だから記事にする

田端 非常に野次馬的な興味からお聞きしたいのですが、週刊文春の収益構造は雑誌の販売部数によるものが大半を占めていて、広告収入にはさほど依存していないという感じなのでしょうか。

新谷 いやいや、バブルの頃などは広告収入が半分程度のウエートを占めていて、毎週1億円が入ってくるような状況でしたよ。でも、今は減ってきていまして、ざっくりと言えば毎週数千万円程度ですね。とはいえ、非常にありがたい収入ですけれど。

田端 販売収入と広告収入の比率が5対5とか、あるいは8対2、7対3とかいった状況ということですか?

新谷 もちろん、広告収入の占めるウエートのほうが低いのですが、さりとてそんなに小さい数字ではないという感じですかね。

田端 とにかく、僕が日頃から思っているのは、週刊文春編集部という組織のマネジメントの在り方がとてもすばらしいということです。

新谷 ありがとうございます。

田端 それから、僕の身勝手な先入観で語らせてもらえば、とかく新聞社の社会部長は“業”を背負いすぎているというか、非常に重苦しい雰囲気を漂わせているイメージは強いですよね。ところが、「切った、張った」のスクープ競争を毎週繰り返しているにもかかわらず、新谷さんご本人の印象は非常に軽やかというか、爽やかというか……。

新谷 要は、バカなのですよ(笑)。

田端 ジャーナリズムを振りかざして妙な正義感を押しつけるわけでもなく、純粋に「面白いか、面白くないか」という観点で世の中を見ている気がします。

新谷 まさにそのとおりですよ。

田端 僕には、そこがストンと腑に落ちました。

新谷 人間は人間からしか学べないので、人間が人間に興味を持つのは当たり前のことですよね。人間の面白さや美しさ、愚かさ、醜さ、すべてをひっくるめて伝えていくのが週刊文春の役割だといつも公言しています。私自身、入社してから今日まで、ずっと雑誌を作りながら人間のことを面白がってきました。その原点は、今なおまったく変わっていません。

田端 純粋に、ご自分自身で面白がって取り組んでいるわけですね。

新谷 使命感ばかりを求められて、どこかに「やらされている」という意識を秘めたまま取り組んでいると、いろいろなものを背負い込んでしまって、表情が暗くなるものです。しかし、私の場合は人間が好きで、その人間の面白さを伝えることが好きでやっているので、今の仕事が楽しくてたまらないですね。

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