Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手18人(2017冬編・その1)

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季節はいよいよ冬。リーグも大詰めを迎え、各クラブの強化担当者は並行して来シーズンの編成について動き出していることだろう。

既に新戦力の噂も出始めている今、こちら側も早めに動かなければならない。ということで、今回も「Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手・2017冬」と題し、今冬Jリーグにやって来そうな選手を18人ピックアップしてみた。

昨年投稿した「Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手・2016冬」では思うような成果を挙げることができず、リベンジの意を込めた「Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手・2017夏」ではジェイ(札幌)とチャン・ヒョンス(FC東京)を見事的中。

今回は従来のピックアップ方法に加えて昨年痛感した最新のJクラブの移籍トレンドも踏まえ、“やって来そうなオーラ”のある選手ばかりをセレクトしたつもりである。

選びに選び抜いた総勢18名。今回はまず10名を紹介!ぜひご覧ください。

マルコン

Marcos Vinicius Amaral Alves (Marcão)
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:23歳
所属: 慶南FC (KOR)

今オフの東アジア移籍市場屈指の注目銘柄。身長196cmの超大型ストライカーだ。

今シーズンはブラジル下部のイトゥアーノから韓国2部リーグの慶南FCへいわば無名選手同然の扱いで加入。当初は全く期待されていなかったが徐々にゴール数を増やしていき、終わってみればリーグ戦32試合22ゴール。圧倒的な身体能力を生かした豪快プレーで得点を量産し、見事クラブの1部自動昇格に貢献した。

そんな彼には既に日本、中国、韓国の数クラブが獲得に興味を示しているとのこと。熾烈な争奪戦になると思われる一方、本人は韓国メディアにて「無名時代の自分に声をかけてくれた慶南FCの関係者に感謝の気持ちを忘れていない。来シーズンは慶南FCの力になりたい」とも話している。

まだまだ粗削りな面は否めないが、18歳までブラジル国内でバスケットボールを習っていたこともあり、伸びしろは抜群。今後の彼の動向に注目したい。

【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

<もう一言>J1で活躍できるかは未知数だが、余りあるポテンシャルは何より魅力的。個人的にはJ1に昇格して間もないクラブで見てみたい。ただ前述の活躍にて市場価格が高騰しており、獲得は至難の業か。

【次ページ】中国リーグの「超大物」

ジャクソン・マルティネス

Jackson Arley Martínez Valencia
国籍:コロンビア
ポジション:FW
年齢:31歳
所属:広州恒大 (CHN)

最近すっかり名前を聞かなくなった中国リーグ屈指のビッグネーム。

16年にアトレティコ・マドリーから移籍金4200万ユーロ(約54億9000万円)で加入するも、その年は不調やケガの影響もあり10試合4ゴールと沈黙。翌年は再び負傷し、さらに好パフォーマンスを見せるブラジル人FWアラン(28)、「帰ってきたレジェンド」ことブラジル人FWムリキ(31)の陰に隠れ公式戦出場はゼロ。当然ながらサポーターからは既に見放されているという。

今夏はトルコ方面から獲得の打診を受けたようだが、結局契約には至らず。広州恒大との契約は2018年末まで残っており、クラブとしては獲得に費やした移籍金の一部を回収するため早い段階で売りたいはず。市場価値も大幅に下落したと見られ、J入りの可能性も出てきたといえるだろう。ヴィッセル神戸の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(32)に続く「ビッグネーム」加入は実現するだろうか。

【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

<もう一言>広州恒大は先日、イタリア人指揮官ファビオ・カンナヴァーロ氏(44)の監督復帰を発表。一部では「カンナヴァーロ氏がマルティネス再生を手掛けるのでは?」との噂もあるが、失敗した際のリスクが大きいとされる。

また、このシリーズでは過去に一度載せたため今回は選外となったが、同じ時期に退団を表明したブラジル人FWムリキ(31)もJにやって来そう(戻ってきそう)な選手の一人。もしやって来たならばフィジカルを前面に出した全盛期とは一味違った大人なプレースタイルにも注目したい。

デルレイ

Vanderley Dias Marinho (Derley)
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:29歳
所属:CDアヴェス (BRA)

183cmと長身ながらスピードがあり、多彩なゴールパターンを持つマルチストライカー。

選手してのキャリアを上昇させたのはポルトガルリーグ。2013-14シーズンにはCSマリティモで30試合16ゴールを挙げ得点ランキング2位に入る活躍を見せた(ちなみに1位は先ほど紹介したジャクソン・マルティネスの20ゴール)。この活躍が評価され翌シーズンに名門ベンフィカへ4年契約で移籍するが、ここではレギュラーポジションを掴めず15試合1ゴールと大ブレーキ。以降カイセリスポル(トルコ)、チアパスFC(メキシコ)へのローン移籍を経験するも活躍できず。今シーズンからは慣れ親しんだポルトガル1部リーグのCDアヴェスでプレーしている。

アヴェスでは出場機会こそ得ているものの、ここまで8試合0ゴールと当初の期待を大きく裏切っている。クラブも下位争いに巻き込まれ、残留に向け冬のマーケットで即戦力選手の獲得へ動くのはほぼ確実。そうなった場合は彼をローンで他クラブへ移籍させることがあるかもしれない。ポルトガルのクラブからは今年、DFフレイレ(GDシャヴェス→清水)、FWクリスラン(ブラガ→仙台 ※ローン移籍)ら何人かのブラジル人選手がJリーグへやって来ており、彼もそこに続く可能性はある。実績や市場価値を考慮するとJ1中堅〜J2の裕福クラブあたりが獲得に動きそうだろうか。

【Jに来るかも知れない度】★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★

【次ページ】大ブレイクした元神戸FW

ヴァウテル

Walter Henrique da Silva
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:28歳
所属:アトレチコ・ゴイアニエンセ (BRA) ※FCポルトからローン移籍中

かつてポルトガルの名門FCポルトが惚れ込んだストライカー。178cm/98kgと明らかにオーバーウェイト気味ながら、フィジカルコンタクトはほぼ無敵。左右両足から繰り出される強烈なシュート、繊細な足技も魅力の選手だ。

かつてU-20ブラジル代表として活躍し、2010年にFCポルトへ移籍金600万ユーロ(当時約6億8000万円)で加入。しかしコンディションの調整に失敗し思うような活躍ができず、現在までブラジル国内クラブをローンで転々とする生活を送っている。今シーズンはブラジル・セリエAのアトレチコ・ゴイアニエンセに所属。最下位に沈むチームに中で25試合に出場し、4連続ゴールを含む5ゴールを挙げ活躍した。

ヴァウテルとFCポルトとの契約は今シーズンまでとのこと。またローン移籍中のアトレチコ・ゴイアニエンセは既に2部のセリエB降格が決まっており、来シーズンも引き続きクラブに残るかは不透明な状況だ。今年1月にはブラジルメディアにて「ガンバ大阪がオファーを出した」と報じられており、Jへやって来そうな気配はある。課題は一にも二にもコンディション面。現在もフル出場は難しいため、獲得には相応のリスクを伴うだろう。

【Jに来るかも知れない度】★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★

マジーニョ

Anderson Soares da Silva (Mazinho)
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:30歳
所属:オエステ (BRA) ※パルメイラスからローン移籍中

13年にヴィッセル神戸に在籍した経歴を持つ左利きのアタッカー。当時は「黒いメッシ」として大きな期待をかけられ38試合10ゴールの成績を残したが、圧倒的な違いを見せることはできず、1年でクラブを後にした。

神戸退団後も引き続きパルメイラスが保有権を持つ形でブラジルのクラブを転々とする日々を送っていたが、セリエB(2部)のオエステへ移籍した今シーズンに大ブレイク。ここまで31試合15ゴールとリーグ得点ランキングを独走している。

かつてはブラジル1部で活躍中のMFレオナルド(元鹿島、現アンタルヤスポル監督)、FWワシントン(元浦和、現ECPPヴィトリア・ダ・コンキスタ監督)など一級のタレントを獲得できたJクラブだったが、欧州や中国、中東のクラブが目を光らせている現在はなかなかそうもいかない。ただ、2部で活躍する選手はまだ手に入れることが可能なのではないか。マジーニョは年齢的にみても「Jにやって来る(戻って来る)」にはふさわしく、また以前Jのサッカーを経験した点もやってきそうなポイントである。彼自身はブラジルメディアにて「パルメイラスに帰りたい」と発言しているが果たして。

【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

【次ページ】あの“ひ弱”な元浦和FWが様変わり!

マゾーラ

Marcerino Junior Lopes Arruda (Mazola)
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:28歳
所属:フリー ※前所属 全北現代 (KOR)

2011年に浦和でプレーした経歴を持つ左利きのストライカー。スピードに乗ったドリブル突破とパンチ力のある左足から多くのチャンスを創り出す。浦和加入当初はひ弱で少年のような出で立ちだったが、現在はスキンヘッドに筋肉質のいわゆる「ガチムチ系」の姿に変貌している。

浦和退団後は当時岡田武史氏が監督を務めていた中国の杭州緑城、日本のフットボールファンにはおなじみポルトガルのポルティモネンセなどでプレー。その後ブラジルの数クラブを経て加入した中国2部リーグ(当時)の貴州智誠でブレイク。中心選手としてクラブの1部昇格に貢献した。今シーズンはこの活躍に目を付けた韓国の名門・全北現代に背番号10の好待遇で加入するも、負傷が続き活躍できず。今年6月に契約を解除されていた。

現在はケガも癒え移籍先を模索中とのこと。10月にはブラジルメディアにて、元松本のFWオビナ(34)らとともに「現在失業中のサッカー選手」として掲載されたことで話題となった。市場価値も下落し、現在ではJ2クラブでも手が届きそうなレベルにあると思われる。まだまだ老け込む年齢ではないだけに、得点力不足に悩むJクラブが獲得に乗り出す可能性は大いにありそうだ。

【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★

ルリーニャ

Luiz Marcelo Morais dos Reis (Lulinha)
国籍:ブラジル
ポジション:MF
年齢:27歳
所属:浦項スティーラーズ (KOR)

高次元のテクニックで相手ディフェンスを翻弄するファンタジスタ。170cmと小柄ながら当たり負けしないフィジカルの持ち主。パス、シュートも一級品で、好調時は誰にも止められない。

ブラジルではユース年代から将来を嘱望され、コリンチャンス在籍時の2005年に開催されたU-17南米選手権ではブラジル代表の10番を背負い7試合12ゴールと大活躍。当時のブラジル国内における若手トップの座に君臨していた。その後伸び悩むも、浦項スティーラーズ加入2年目の今シーズン、華麗に復活。攻撃陣の中核を担い、セレッソ大阪加入が噂される元韓国代表FWヤン・ドンヒョン(31)とともにゴールを量産(33試合17ゴール)。アジアの地でキャリアを再浮上させた。

現在ルリーニャ自身は浦項に愛着を持っているようで、契約を1年延長するオプションを行使しようとしているとのこと。しかし前述のパフォーマンスから今オフには多くのクラブが獲得に名乗りをあげるだろう。ちなみに彼はブラジル・セリエAのクリシューマに在籍していた2014年に一度ブラジルメディアにてJクラブ移籍の噂も報じられており、彼の情報がJのスカウト陣の耳に届いていることは間違いない。ぜひチェックしておきたい選手である。

【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★

【次ページ】J3クラブにお勧めなストライカー

ジャイール

Jair Eduardo Britto da Silva
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:29歳
所属:全南ドラゴンズ (KOR)

高いテクニックとスピードが持ち味のブラジル産アタッカー。2013年に千葉、2014年に鹿島でプレーしたことでも知られている。

鹿島退団後は保有先の千葉へ帰らず、ブラジルへ帰国。その後UAEのハッタ・クラブを経て昨年夏からKリーグ1部の中堅クラブ、全南ドラゴンズでプレー。1年目は途中加入ながら20試合10ゴール、背番号10を与えられた今シーズンは序盤から得点を量産し、ここまで34試合16ゴール。ゴールへ結びつくプレーが大幅に増え、今やKリーグを代表するストライカーに成長した。

そんなジャイールを他クラブが放っておくはずがなく、既に来シーズンに向け獲得に動くクラブが現れている模様。特にFCソウルは早い段階から彼にアプローチしているとの噂がある。ただソウルは来シーズンのACL出場が絶望的なため、獲得は微妙な状況。既にACL出場権を掴んだ全北現代や中国の中堅クラブ方面への移籍もありそうだ。ストライカーとしてのプレーを確立させた今、Jクラブが獲得に名乗りをあげることも十分考えられる。

【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★

<もう一言>Kリーグの外国人選手は実力の割に安価なので近年のJクラブ内で人気となっている印象。昨年この企画で紹介したスペイン人DFオスマール・バルバ(29)は当時こそやって来なかったものの、今シーズンは既にタイなどアジアの複数クラブが獲得に乗り出しているとの噂が。マルコン、ルリーニャ、ジャイールを含め注目したい選手の一人だ。

ヤーゴ・アマラウ

Yago da Silva Amaral
国籍:ブラジル
ポジション:FW
年齢:25歳
所属:ゴイアニア (BRA)

189cm/80kgの恵まれた体格を生かしたヘディングと力強いシュートが魅力のストライカー。ゴールへの意識が高く、PA外でもコースが空けば積極的にシュートを放つ。

2013年にゴイアス州リーグのゴイアニアでプロデビュー。その後は同じゴイアス州を本拠とするアトレチコ・ゴイアニエンセなどへローン移籍を経験するもパッとせず。今年5月からは引き続きゴイアニアでプレーしている。

今回も「Jリーグにやって来るかもシリーズ」を作成したのだが、Jリーグと銘打っているからには全てのJリーグファンに見てほしいとの思いが常にあった。そのため、J2下位〜J3までにかけてやってきそうな選手をサーチした結果、彼が当てはまった。J1と比べて比較的オープンな展開が多いJ3の舞台において、個の力でゴールを奪えるヤーゴのようなタレントは需要が高いはず。ブラジル・サッカー界の表舞台には全く登場していないため市場価値もお手頃。果たして獲得に動くクラブは現れるか。

【Jに来るかも知れない度】★
【Jで活躍するかもしれない度】★★

【次ページ】ぜひ札幌に…なセントラルMF

ノノ

José Antonio Delgado Villar (Nono)
国籍:スペイン
ポジション:MF
年齢:24歳
所属:ディオーシュジュールVTK (HUN)

展開力に優れたスペイン産のセントラルMF。中盤の底に陣取り、長短織り交ぜたパスで攻撃にアクセントをつけるのが持ち味。178cmとサイズはまずまずだががっしりとした体格をしており、ボール奪取能力にも長けている。

レアル・ベティスの下部組織で育ち、2013-14シーズンには準レギュラーとして22試合に出場した実績を持つ。順風満帆なキャリアを送るかに見えたが以降は伸び悩み、ドイツ2部やスペイン下部のクラブでプレー。現在はハンガリーの中堅クラブ、ディオーシュジュールVTKでいぶし銀の活躍を見せている。

アジアでは数年前からスペイン人選手の活躍が増えてきたのだが、その波が昨年ついにJリーグにもやってきた。今オフもこの勢いは続くと思われるため、今回は欧州の中堅リーグで着実に力を伸ばしつつある彼をピックアップしてみた。現時点でJ入りの噂は全くないが、スペイン人選手獲得に興味があり、なおかつ戦術眼に優れたプレーメーカーを求めるクラブは獲得に動くかもしれない。余談ながら北海道コンサドーレ札幌に加入すれば「ノノ」の愛称を持つ野々村芳和社長(45)との共演が実現することに。

【Jに来るかも知れない度】★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★

《その2へ続く》

筆者名:yosuke

杜の都、仙台を中心に活動している20代。小学生の頃にアジアのエスニックなユニフォームデザインに魅力を感じ、独自に情報収集を開始。歳を重ねる毎にアジアサッカーの虜となる。FKでの得点が大好物だが、これまで10年以上のアマチュア選手キャリアの中で1度もFKを蹴ったことがない(なかなか蹴らせてもらえない)。またベガルタ仙台やソニー仙台、コバルトーレ女川といった地元クラブの応援にも熱を注いでいる。

Twitter: @maimaidenden