香川真司

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 10日、ブラジル代表に1-3というスコア以上の完敗を喫し、15日の早朝にもベルギーに0-1で敗れ、欧州遠征で2連敗を喫した日本代表。その敗戦直後に掲載された「デイリー新潮」の記事が、サポーターの間で話題になっている。記事のタイトルは「香川真司の代表落選で浮上 大スポンサー『アディダス』のスパイク問題」だが、衝撃的なのはその記事内容である。

 なんと日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督と、ザッケローニ元監督時代から代表の10番を背負ってきた香川が、今年の10月に行われたニュージーランド戦後に、ホテルの部屋から声が漏れるほどの怒鳴り合いをしたというのだ。

 その発端はというと、ハリルホジッチ監督の戦術についてとされているが、本当に両者は口論になったのだろうか? サッカーライターに聞いた。

「その可能性は十分にあると思います。香川だけでなく、本田圭佑なども抱えていた戦術への不満が、よりによって彼ら不在の今回の欧州遠征で浮き彫りになりました。ハリル監督は、相手に合わせた戦術を採用しています。それ自体は悪くないのですが、問題は、ハリル監督の戦術が相手に警戒された時に、何もできなくなってしまうことなのです」

 確かに今回の欧州遠征では、その傾向が顕著だった。

 ブラジル戦では、最初の10分こそ前線からプレスをかけたものの、いなされ続けてリズムをつかめなかった。そして、先制点を奪われると、ドタバタしてしまい、立て続けに2ゴールを献上。ブラジルが控えメンバーのテストを行う後半まで、日本代表の見どころはゼロだった。

 続くベルギー戦も、当初は新メンバーのテストをほのめかしていたが、ブラジル戦の内容をメディアに酷評されたことで、ハリルホジッチ監督は結果を求めた。

 ブラジル戦同様に立ち上がりからプレッシングをかけて、ベルギーを慌てさせることに成功する。ところが、ベルギーが日本のプレスを警戒し、逆に日本にボールを持たせるようになると、勢いはトーンダウン。ハリルホジッチ監督お決まりの「縦パス1本」しか活路がなく、攻撃パターンのなさを露呈してしまう。

 結局、ベルギーに先制点を奪われ、その後も攻勢に転じられず、0-1で敗れてしまった。香川がハリルホジッチ監督に指摘しているのは、相手に警戒された時に、どうやって得点を奪っていくのか? という部分だろう。だが、記者会見を聞いていても、ハリルホジッチ監督には、その術がないと先述のサッカーライターはいう。

「日本人選手には個人戦術が足りない。それは、2006年のジーコ監督時に明確になった。にもかかわらず、ハリル監督はジーコ同様に選手に柔軟な戦術対応を求めている。ハリル監督が率いた過去のチームではうまくいっても、今の日本には合っていない。それを香川も感じているのでしょう。香川はドルトムントでユルゲン・クロップ(現リヴァプールFC)、マンチェスター・ユナイテッドでは“サー”アレックス・ファーガソンといった世界的名将の下でプレーしています。そういった監督と比べると、攻撃パターンの少ないハリル監督は無能に見えるのかもしれません」

 ちなみに、サッカーメディアの間でも、ハリルホジッチ監督の評価が二極化されているとのこと。40歳より下のライターたちは、「ハリル監督は経験も豊富で、学ぶことも多い。ハリル監督以外にない」と支持しており、40歳から55歳の間のライターは「世界にはハリル監督よりも良い監督がいる」という否定派が多いらしい。

 故に、賛否両論の記事が出ており、それ自体は健全だと思うのだが、本当にハリルホジッチ監督でいいのかという議論は、まだまだ足りていない気がする。だから今こそ、香川や本田の声に耳を傾けるべき時なのかもしれない。
(文=TV Journal編集部)