ベルギー戦の善戦はW杯躍進を“保証しない” 日本に求められる「ポット2&3」に勝ちきる力

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“最強クラス”相手の2連敗は問題なし 焦点は「ポット2」と「ポット3」

 ブラジル、ベルギーとの試合は日本の守備力を図る機会だったと思っている。

 日本はロシア・ワールドカップ(W杯)組み合わせ抽選会で「ポット4」に振り分けられているため、グループリーグで対戦する3チームは全て“格上”ということになるが、同組の「ポット2」と「ポット3」のチームに勝てないとグループリーグは突破できない。そのため、まずはその2試合を日本がいかに戦うかが焦点になるわけだが、今回の欧州遠征2連戦ではそれは分からない。

 対戦したブラジルとベルギーは「ポット1」のチームであり、グループ最強クラスである。日本が勝ち点を計算できる相手ではないから、今回の2連敗は問題ない。0-0で推移して、運が良ければ引き分けられる展開にできれば十分である。

 ブラジル戦は早々に失点してしまい論外の内容だったが、ベルギー戦はロースコアの流れに持ち込めた。善戦することに意味はないとはいえ、ベルギーに簡単にゴールを割らせなかったのだから、「ポット2」や「ポット3」のチームにも通用すると考えられる。そこは大きな収穫だろう。

 ただし、「ポット1」のチームに善戦するのと、「ポット2」と「ポット3」のチームに勝利するのは、同じではない。得点しなければ勝てないからだ。

 基本的には「ポット2」と「ポット3」の2チームとの対戦でも、まずは守備ありきになるだろう。日本はミドルプレスからハイプレスへの切り替えで、ベルギーを苦しめていた。上手く奪えればそのままチャンスに直結する。問題は相手に引かれてしまった時にどうするか。これに関しては、まだ答えが出ていない。10月のニュージーランド、ハイチとの試合でメドをつけておきたかったが収穫はなかった。

W杯に向けて攻撃オプションをいかに持つか

 クリエイティブな選手が必要になるが、そうすると守備力を維持できないのが悩みである。ベルギー戦では森岡亮太と乾貴士の投入でチャンスを作れていたが、二人代えないと攻撃を加速できないとすると、守備のリスクはより増大する。ただ、どちらか一人ではブースト不足になりそうだ。

 バヒド・ハリルホジッチ監督はこのあたりの見極めが上手いはずだが、それでもイチかバチかのギャンブルにはなる。ギャンブルになる前に相手がミスしてくれれば、守備重視のままリスクを冒さず試合を終えられるかもしれないが、それはもう運次第だ。

 どちらにしても、W杯で運は必要。毎回一つや二つはできる「死のグループ」に入れられたら、相当厳しいことは目に見えている。ブラジルは日本のミドルゾーンからのハイプレスへの切り替えを誘って、MFとDFの間に広がるスペースを狙っていた。ベルギーは単発的にチャンスを作っていたが、ブラジルほどの狙いはなかった。強豪国の中でもなんとかなるチームと、どうにもならないチームがあるわけだ。どれが来るかも運次第。どうにもならないのが、2チーム来てしまう可能性もある。

 守備にメドがついたが、「ポット2」と「ポット3」クラスに得点できるかどうかは分からない。攻撃のオプションを持たなければならない。これは運ではなく実力の問題。3月の課題になる。

【了】

西部謙司●文 text by Kenji Nishibe

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images