今日の試合でできたことが、次の試合でできるとは限らない。

 もちろん、できることもあるだろう。より良く実行できることもあるだろう。

 だが、同じようにできない試合もある。できないというよりも、やらせてもらえない試合もある。

 サッカーには相手がいる。戦いのレベルが上がり、1試合の重みが増すほど、互いのスカウティングは緻密になる。スカウティングどおりではないことが起こっても、戦いのレベルに比例して選手のレベルも上がる。応用力の高い選手が揃っているわけで、分析とは違うプレーに直面してもほどなくアジャストしてくるものだ。

 11月14日に行なわれたベルギー戦で、日本の守備は機能した。4日前のブラジル戦より明らかに整備され、狙いを持った戦いができていた。

 だからといって、次の試合でも同じことができるとは限らない。それがインターナショナルなレベルのサッカーである。できたことはさらにアップデートし、できなかったことをできるようにする。チームとして個人としてもプレーの幅を広げなければ、国際舞台を勝ち抜くことはできない。

 そうやって考えていくと、ベルギー戦の見方も変わってくる。1点に抑えた守備には及第点をつけられるかもしれないが、それでも負けてしまった事実がある。

 1998年から2014年までの5度のW杯で、日本が複数得点をあげたのは3試合しかない。02年のベルギー戦とチュニジア戦、それに10年のデンマーク戦である。合計17試合のうち、わずか3試合だ。

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のチームは、過去5大会を上回る攻撃力を備えているのか。W杯で複数得点を計算できるチームなのか。ワンチャンスをモノにできるとの確証を得られるストライカーがいるのか。

 どれも答えは「NO」である。

 だとすれば、ベルギー相手の0対1というスコアも決して喜べるものではない。守備力をさらにアップデートしなければ、次も1点で抑えられる保証はないのだ。

 無得点に終わった攻撃は、守備よりもシビアに受け止める必要がある。アタッカー陣の献身性なしに守備は成立せず、それゆえに攻撃に人数を割けない現状を踏まえつつ、少なくとも1点、勝点3を確実につかむには2点取れるチームにしていかなければ、ロシアW杯での上位進出などおぼつかない。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督でなくとも難題だ。
 
 ブラジル、ベルギーとの対戦を経て、世界における立ち位置がはっきりした。そして、残り7か月でドラスティックに力関係を変えられるほど、世界のトップ・オブ・トップは優しくない。ブラジルもベルギーも親善試合のモードでピッチに立ち、それでも日本を退けている。