ビルボードライブ10周年に合わせ、3年ぶりとなる来日を実現させたベイビーフェイス。15年には初期の名作『テンダー・ラヴァー』(89年)へのセルフ・オマージュ的な約10年ぶりとなる最新作『リターン・オブ・ザ・テンダー・ラヴァー』を発表し、ブルーノ・マーズの大ヒット作にも楽曲提供して健在ぶりを示してきた彼だが、ライブもその好調ぶりや80年代から90年代前半にかけてのR&Bリバイバルなムードを反映したものに。初日となった15日(水)の大阪でのステージは、恒例の自作曲メドレーを2本含んだサービス精神満点なセットで、改めてソングライターとしての偉大なキャリアとともにパフォーマーとしての凄みをグルーヴ豊かに発揮した圧巻の夜となった。

ベイビーフェイス 来日公演写真(全7枚)

 タイトな黒のコスチュームで統一したバンド・メンバーがステージに現れ、サックスを中心としたインストで冒頭からファンキーに煽ると、鮮やかな白いジャケットを着たベイビーフェイスが登場。アーバンかつグルーヴィーな演奏に乗せて「For The Cool In You」(93年)などのソロ名義での代表曲を連発すると、「また大阪に来れて嬉しいよ」とMCを挟んでメロウな魅力が際立つ「Every Time I Close My Eyes」(96年)へ。鮮烈なオルガン・ソロや流麗なソプラノ・サックスなども交えながら、ソロの原点となった『テンダー・ラヴァー』からも2曲を披露し、ブラック・コンテンポラリーからR&Bへ移行する時代をリードした自身の代表曲を多彩なアプローチで聴かせた。

 続いて、アコースティック・ギターを手にして椅子に座り、アンプラグド・スタイルで「When Can I See You Again」(93年)を切なくフォーキーに響かせると、お馴染みの心地よいギター・リフから大きな歓声が上がった「Change The World」ではエレキ・ギターに持ち替えて立ち上がり、ハードなまでにロック色を強めていくダイナミックなアレンジで圧倒した。そして「次は自身のアルバムから」と告げると最新作『リターン・オブ・ザ・テンダー・ラヴァー』から「Exceptional」を披露。久々となった新作におけるブレのなさもしっかりとアピールしたところで、さらなるピークを誘う後半へと向かっていった。

 「1982年にミッドナイト・スターに書いた曲」とMCを挟んでの「Slow Jam」からスタートした新メドレーでは、87年にウィスパーズに提供した軽快な「Rock Steady」やジョニー・ギルへの提供曲とキャリア初期の自身の代表曲を年代順に追いながらグルーヴを高め、後半にはソロ名義での曲や90年代後半にドゥルー・ヒルに提供したメロウな楽曲も。尽きることのない多彩なアーカイヴスから新たに組まれたメドレーで興奮を誘うと、終盤は自身が在籍したThe Deele「Two Occasions」(88年)から幕を開けて80年代末から90年代前半にかけて世界を席巻したヒット曲が次々と飛び出す怒涛の定番メドレーへ。ボビー・ブラウンのヒット曲の数々に、テヴィン・キャンベル、アフター7、ジョニー・ギルなどの名曲が次ぎ早に顔を出し、ソプラノ・サックスによるイントロからスウィートな歌い出しによってボーイズ?メン「I'll Make Love To You」〜「End Of The Road」(92年)の2大キラー・チューンへと高揚感を増しながら流れ込むと、ベイビーフェイスは客席へと降りて行ってオーディエンスの熱狂をさらに煽りながら熱唱した。アンプラグド以降よりも『テンダー・ラヴァー』前後の自身のキャリアに重きを置いたような選曲とステージングで、時代が求める音に応えながら、尽きることのない多彩な魅力を新たなアングルから発揮した好ライブだった。

Text by 吉本秀純
Photo by Kenju Uyama

◎情報公演
【BBL 10th Anniversary Premium Stage
ケニー “ベイビーフェイス” エドモンズ】

ビルボードライブ大阪
2017年11月15日(水)〜16日(木)

ビルボードライブ東京
2017年11月18日(土)〜20(月)

詳細:http://www.billboard-live.com/