素朴な疑問… 「平熱が低い人」は、発熱したときの体温も低い?

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執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)
医療監修:株式会社とらうべ

世の中には、平熱が高い人と低い人がいます。

みなさんは、ご自分の平熱を把握していますか?

例えば、同じ38℃の発熱でも、平熱が35℃くらいの人と37℃くらいの人では違いはあるのでしょうか?

今回は、身近な健康管理でもある体温や平熱、発熱の基準や低体温などとあわせ、ご説明していきましょう。

平熱は測定場所や測定時間に左右される

体温は、手足や皮膚に近い場所では低く、身体の中心部にいくほど高くなります。

表面や末端部の温度は、外気など環境温度に影響を受けますが、身体の中心部に近い、たとえば脳や心臓などは、高い体温で安定している状態です。

これを「中核温」といい、病院などでは測定できますが、一般家庭ではできません。

そこで、一般的には、体内温度が反映される場所として、わきの下、口の中、耳、直腸などで測定することになります。

ただし、測定する部位によっても体温が違いますから、同じ部位で測定し、その部位における平熱を知る必要があるのです。

ちなみに、日本人の約7割は、わきの下で測定した平熱が36.6℃〜37.2℃です。

さらに、体温には1日のなかでもリズムがあります。

早朝が一番低く、日中活動をしていると徐々に上昇し、夕方にピークをむかえます。

つまり、体温を測定する時間によっても平熱は変わってくるのです。

平熱の低い人が発熱したときの体温の捉え方

平熱には個人差がありますから、「熱があるようだ」と感じる温度帯も異なります。

一般的な発熱の高い・低いにかかわらず、自分の平熱よりも1℃以上高ければ、何らかの異変が起きている可能性があります。

平熱36.0℃の人が38℃になったときと、平熱37.2℃の人が38℃になったときとでは、まったく意味が変わってきます。

ですから、熱が出たときは単に今38℃ある、ということだけで判断せず、ほかに症状が出ていないかなど注意して様子を見ましょう。

平熱が低いことと健康との関係

先ほど日本人の平熱について36.6℃〜37.2℃とお伝えしましたが、「低体温」という定義はないようです。

そのため、平熱がこの範囲よりも低いからといって、必ずしも「低体温である」とは言い切れませんが、一般的に36.0℃以下ですとおおむね低体温といえるでしょう。

体温が下がると、血流が悪くなり、免疫力も低下します。

血流が良ければ体内の異物にも素早く白血球が反応できますが、血流が悪いと反応できにくくなり、ウイルスや細菌に負けやすくなるためです。

つまり、「体温が正常に保たれている=健康が保たれている」といえるでしょう。

低体温の原因

昨今、日本人の平熱は下がる傾向にあります。その原因を探ってみましょう。

栄養不足・偏り:ビタミン・ミネラル不足

身体は、糖質、脂質、たんぱく質からエネルギーや熱を作り出して、体温を保っていますが、これらの働きをサポートしているのはビタミンやミネラルです。

たとえば、糖質をエネルギーに変えるためには、亜鉛・鉄・マグネシウムなどが必要になります。

ビタミンやミネラルが不足すると、体内でエネルギーや熱を作ることができずに体温が上がらなくなってしまいます。

無理なダイエット

無理なダイエットにより、食生活が偏ったり食べる量が減ったりすると、筋肉のもととなるたんぱく質が不足し、熱を作り出せなくなります。

同時にビタミン・ミネラルも不足し、低体温だけでなく、月経不順、貧血などを起こす原因にもなります。

冷たいもの・甘いものの食べ過ぎ

冷たいものや甘いものの食べすぎは、身体を冷やし低体温の原因となります。

また、季節ごとに旬の野菜を摂ることも大切です。

たとえば、水分を多く含む夏野菜や果物を寒い冬に食べ過ぎると、身体を冷やしてしまいます。

冷暖房の整った住環境

最近は冷暖房設備が整っており、身体の体温調節機能が鈍くなっています。

これも低体温の一因といえるでしょう。

運動不足

運動不足は筋力を低下させます。

筋力の低下は、血液循環も悪くしますので、低体温の原因といえるでしょう。

過度なストレス

ストレスがたまりすぎると、血行不良が起きて体温低下の原因になります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れると、体温調節機能を持つ自律神経も乱れます。

その結果、体温のコントロールができなくなり、低体温になります。

便秘

便秘になると、腸内での蠕動運動(ぜんどううんどう)が不活発になり、新陳代謝が悪くなって基礎代謝も下がります。これによって、冷え性や低体温を起こします。

それでは、低体温を改善するにはどのようにしたらよいのでしょうか?

低体温の改善法

継続して行うことにより、低体温の改善に効果が期待できる方法をご紹介します。

いずれも日常生活に取り入れやすい内容ですので、試してみてはいかがでしょうか。

運動をする:とくに次のことを実践する

・ウォーキング(1日30分以上)やジョギングを日常化する
・スクワットをする(無理せず徐々に回数を増やすこと、慣れてきたら1日に30回程度)

湯船に浸かる:シャワーだけでなく、湯船に10分程度浸かるようする

白湯を飲む:朝や寝る前に白湯を飲み、身体を温める

薄着をしない(とくに冬場):腹巻、カイロ、下着を1枚増やすなどの工夫をし、身体を冷やさない


<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供