今回の欧州遠征では出場のなかった昌子。この悔しさをバネに、さらなる成長を期待したい。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 鹿島担当としては、少々複雑な気持ちだった。
 
 ブラジル、ベルギーと対戦した日本代表の11月シリーズ。常勝軍団のディフェンスリーダーである昌子源は、一度もピッチに立てなかった。
 
 最終予選の終盤は、吉田麻也とCBでコンビを組み、日本の6大会連続ワールドカップ出場に貢献した。ハリルジャパンのレギュラーに定着したかに思われたが、現状は吉田、槙野智章に次ぐ3番手を、三浦弦太(G大阪)や鹿島のチームメイトである植田直通と争っている位置づけか。
 
 ベルギー戦を翌日に控えた練習後、ベンチのままで終わったブラジル戦を昌子は次のように振り返った。
 
「外から見た感想としては、これだけ差があるのか、それなら俺らはどうすれば追いつけるのかと、考えさせられた部分はある。
 
 僕のサッカー人生、あと何年あるか分からんけど、ブラジルともう対戦できないかといったら、そんなことはない。いつになるか分からんけど、その時のために差を縮められるように、どうしないといけないかと考えた」
 
 もちろん「(試合には)出たかったし、出て(ブラジルの凄さを)体験したかった」のは事実だ。ただ、「もし仮に試合に出て、手も足も出せず、こいつらには一生敵わないんじゃないかと思ってしまったら、一生ブラジルには勝てないと思うんですよ」
 
 そう思わせられなかった自分は良かった、と昌子は言う。
 
 強がりに聞こえるかもしれない。ただ、それが試合で使われなかった自分を納得させる強引な気持ちの持っていきかただとしても、どんな状況に置かれてもプラスに捉えるポジティブマインドこそ、昌子の魅力のひとつだ。
 
 ベルギー戦にも出たかったに違いない。残念ながらそのチャンスは訪れなかったが、ここで諦めるような男でもない。
 
 悔しがっている場合ではないし、昌子の言葉を信じるなら、すでに「世界との差を埋めるにはどうすればいいか」を考えているはず。いつの日か、ブラジルに勝つために――。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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