(写真=韓国気象庁HPより)

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11月15日午後2時29分ごろ、韓国南東部の浦項(ポハン)付近を震源とするマグニチュード(以下、M)5.4の地震が発生した。また、2時49分にM3.6、午後3時にM2.9、午後4時49分にはM4.6など、40回以上の余震も観測された。

韓国では昨年9月にも浦項に隣接した慶州(キョンジュ)付近でM5.8の地震が起きている。今回の地震は韓国の地震観測史上、昨年に次ぐ2番目の大きさとなった。

ただ、今回の震源の深さは9キロと、15キロだった慶州地震より浅い。そのため、被害規模も慶州よりも大きく、多数の住民が不安な夜を過ごした。

被害規模は69億ウォン相当

中央災難安全対策本部が11月16日に発表したところによると、住民1536人が近所の学校や体育館などに避難しており、57人の負傷者のうち10人が入院治療を受けているという。

住宅3棟が全壊、219棟が半壊するなど、私有施設の損壊は約1200件。32カ所の学校施設、33カ所の公共施設、38カ所の国防施設などにひび割れといった被害が及ぶほか、文化財17件にも破損被害があった。

被害総額はおよそ69億ウォン(約6億9000万円)と推定されている。韓国政府は具体的な被害状況の確認が終わり次第、「特別被災地域」の指定を検討しているそうだ。

9分から19秒に短縮

慶州地震のときは各所でトラブルが発生していたが、今回は当時と比べると改善も見られた。

例えば、前回は地震発生から9分後に配信された「緊急速報メール」が、今回はたった19秒で配信された。昨年11月にメールの主管部署を気象庁に移し、マニュアルを見直した成果だという。ネットでも「地震よりメールが先にきて早く外へ逃げることができた。システムが改善されたことを実感する」とのコメントが多数見受けられた。

また、カカオトークも一時的なトラフィック急増はあったが、「直ちに非常対応モードに切り替わり、サービスの障害はなかった」と、関係者は語っている。地震発生後に約2時間も送受信できなかった前回に比べると大きな進歩だろう。

それでも、地震の影響で11月16日に予定されていた日本の大学入試センター試験に当たる「大学修学能力試験」も1週間延期されることになった。

地震発生当日の午後8時20分、キム・サンゴン教育部長官は緊急会見で「受験生の安全を最優先に考えて下した判断。受験生は政府を信じて、心配せず試験の準備に専念してほしい」とコメントしている。

過去に首脳会談などによって大学修学能力試験が延期された事例はあるが、今回のような自然災害による延期は初めてだ。実際のところ、浦項地域にある試験会場の中には壁に亀裂が入ったり、窓ガラスやドア、蛍光灯などが破損されたりしたところもある。安全確保を最優先に考えた政府の決定は、妥当ではないだろうか。

今回の地震を受けて、ネット上では「M5.4だと韓国ではかなり大きい方だけど、亡くなった人がひとりもいなかったのは不幸中の幸いだね」「韓国も本気で地震対策をしておくべきだと思い知った」「朝鮮半島に立て続けてM5以上の地震が起き始めた理由が知りたい」といったコメントが寄せられている。

もはや「地震安全地帯」などといえなくなってしまった韓国。今回の地震をきっかけに、さらなる防災対策に取り組むべきだろう。

(参考記事:立て続けに発生している地震に韓国人が必要以上に“恐怖心”を味わっているワケ

(文=李 ハナ)