画像提供:マイナビニュース

写真拡大

銀座4丁目の土地の公示価格が、景気のバロメーターになっているかのように紙面をにぎわすことがあります。そもそも公示価格等はどうやって決まるのでしょうか? マンションを買う場合にも、立地条件や広さ、建物のグレードなどだけでなく、土地にも目を向けると、将来の価値に差が生じることもあります。

○土地の四価

土地の公的評価は、実に4種類もあります。なじみのある言葉は、公示価格と固定資産税評価額でしょう。それ以外にも基準値標準価格、路線価等があります。それぞれどう違うのでしょうか。

■公示価格と基準地標準価格

公示価格は毎年新聞に掲載されます。自分が住みたいと思う土地、今住んでいるところと周辺の地域の価格の違いなどを見ていると、なにかしら見えてくるものがあります。住まい選びや不動産活用などを考える場合は、その第一歩としても公示価格に注目してみましょう。合わせて基準地標準価格も参考にしてみましょう。

■路線価

特定の目的がなければ、ほぼなじみのない言葉でしょう。路線価はホームページで全国のものが閲覧できます。下記の項で詳しく見てみましょう。

■固定資産税評価額

固定資産税の基準価格。マイナビニュースの別稿「固定資産税・都市計画税納付通知書の見方」に詳しく記述したので、そちらを参照ください。

○路線価とは?

下記の表は実際の路線価図の一部を切り取ったものです。路線価図の部分と凡例を示しています。路線価図は話題になることが多い東京の銀座4丁目付近を切り取っています。オレンジの土地について路線価をみてみましょう。オレンジの土地は角地になっています。晴海通りに面する地との路線価は12,480となっています。単位は1,000円/平米なので1,248万/平米となります。角地なので割り増し補正等の計算がされて、オレンジの土地の路線価が決まります。

次に「A」と表示されています。凡例を見ると、アルファベットは借地権割合で、Aの借地権割合は90%とあります。仮にこの土地を借りていた場合、借地権の評価は路線価の90%で、地主の持ち分は10%ということになります。借地権者が亡くなり、借地権の相続財産評価もこの割合で算定されます。実際はその時の双方の交渉で決まると思いますが、借地権者がこの土地を地主から買い取る場合の買い取り価格の目安は地主の持ち分相当額となります。

次に路線価に表示されている楕円のマークは何でしょうか。凡例を見ると楕円だけでなくいろいろな形があります。これはその地帯の土地の利用形態を示しています。都市計画上の建物の用途を制限する用途地域とは別のものです。

■銀座4丁目付近の路線価図(部分)

■路線価図凡例

路線価は相続財産の評価の基準となるものですが、市街地以外の地域の中には、「倍率方式」によって計算される地域もあります。

○住まいの取得と土地の評価

戸建て住宅でもマンションでも土地が借地、または定期借地の場合があります。そうした場合は路線価の知識があると便利ですし、土地を相続する可能性がある場合は、路線価をもとに価値を予測することができます。ただし居住用財産や事業用財産の場合は、「小規模宅地等の課税価格の計算の特例」により、課税割合が大幅に少なくなる(最大20%)ケースがあります。

また、最近は限度ぎりぎりに建物を建築する場合がほとんどでしょうが、以前は敷地に余裕を持たせたり、建設当時から用途指定が変更になっていて、より広く建てられるようになっていたりするケースもあります。中古マンションを購入する際は、土地の余裕度にも注目してみましょう。

敷地に余裕があり、土地の価格が高い場合、建て替え時には、より広い住戸が手に入ったり、土地の余裕相当分を売却することによって、少ない費用で建て替えられたりするケースもあります。そうした隠れた優良物件には、専門家が目をつけて購入していたりするのです。特に売主の社員が多く購入している物件は、お得なことが多いです。

事前にこうした情報はわからないとは思いますが、土地の余裕度は少し知識があれば判断できます。その敷地の指定容積率をネットや市区町村で調べます。敷地面積や延べ面積は重要事項なので、必ず提示されます。現在の容積率と比較してどの程度余裕があるかは簡単にわかります。容積率とは延べ面積÷敷地面積×100%で計算されます。容積率600%とは、敷地面積の6倍の延べ面積まで建てられるということです。

毎年ニュースになる土地の価格。その意味を正確にとらえられるだけでも役に立ちますし、住まいを取得する際には、思わぬ掘り出し物件に出会わないとも限りません。

<著者プロフィール>

佐藤 章子一級建築士・ファイナンシャルプランナー(CFP(R)・一級FP技能士)。建設会社や住宅メーカーで設計・商品開発・不動産活用などに従事。2001年に住まいと暮らしのコンサルタント事務所を開業。技術面・経済面双方から住まいづくりをアドバイス。

※画像と本文は関係ありません