新華社は日本時間15日、中国共産党党対外連絡部の宋濤部長が17日、習近平総書記(国家主席)の特使として北朝鮮を訪れると報じた。同党党大会終了後の状況説明のためで、特使派遣は恒例だが「人選が格下げ」になった点が注目されている。写真は北京の北朝鮮大使館。

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新華社は日本時間15日午後0時半ごろ、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が共産党総書記名義で、北朝鮮に特使を派遣すると報じた。同党対外連絡部の宋濤(ソン・タオ)部長が17日に訪朝し、10月に開催した中国共産党全国代表大会(党大会)の状況を伝える。中国共産党は5年に1度の党大会の後に北朝鮮に「特使」を派遣しているが、今回派遣される宋部長の党内序列が過去より低いことが注目されている。

中国外交部(中国外務省)の耿爽(グン・シュアン)報道官は15日午後の定例記者会見で北朝鮮への特使派遣について、中国共産党大会の状況報告と合わせて「中朝双方が中朝両党(中国共産党・朝鮮労働党)と両国が共通して関心を持つことについて意見を交換」と説明した。

中国側がトランプ米大統領の訪中によって得た情報や感触を踏まえて、北朝鮮の核兵器や長距離弾道ミサイルの開発についての意見を示すことは確実だが、制裁などによる圧力強化の方針を伝えるのか、北朝鮮側に対する融和的な姿勢を示すかは不明だ。

中国国外のメディアを中心に、今回の党大会後の特使派遣については「人選が格下げ」されたことも注目されている。

2007年の党大会後に特使として北朝鮮に派遣された劉雲山(リウ・ユンシャン)氏は2002年から共産党中央政治局委員を務めていた。具体的役職は党中央書記処処長、党中央宣伝部部長でいずれも重職だった。12年党大会後に派遣された李建国(リー・ジエングゥオ)氏も中央政治局委員で、全国人民代表大会(全人代)の秘書長などを務めていた。一方、今回派遣される宋氏は党中央委員会委員だ。

中国共産党の序列ピラミッドは上から総書記(1人)、中央政治局常務委員(現在は7人)、中央政治局委員(25人)、党中央委員会委員(約200人)だ。つまり、前々回と前回党大会後に北朝鮮に派遣された人物は中国共産党のトップ25人から選ばれ、今回はトップ200人から選ばれたということになる。

また、宋氏が部長を務める党対外連絡部は、実際には中国の外交方針決定に重用な役割を果たすとされるが、名義上は国外友党との連絡業務を担当するにすぎない。今回の特使は明らかに意図的な「格下げ人選」だが、中国側の真意は不明だ。

宋部長は10月末から11月初頭にかけて、やはり党大会の状況説明のためにベトナムとラオスを訪れており、中国が改めて「北朝鮮を特別扱いしない」との姿勢を示したとも考えられる。

2007年に劉雲山氏が特使として訪朝した際には当時の北朝鮮最高指導者だった金正日(キム・ジョンイル)総書記と、12年の李建国氏訪朝の際には金正恩(キム・ジョンウン)氏と握手をして、相互に相手の党と国家建設を称賛しあったなどと報道された。今回の宋部長の訪朝では、金正恩氏との会談の様子や互いに交わした言葉が報道されるかどうかも注目すべき点だ。(翻訳・編集/如月隼人)