球際でどれだけしぶとく戦えるか――デュエルの重要性を改めて確認できた欧州遠征だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 12月には国内組だけで参戦するEAFF E-1(旧東アジアカップ)を控えるが、海外組を交えたチームでの活動は、この欧州遠征で年内は終了となる。
 
 大迫勇也は「これで今年1年が終わるのではなく、ここからワールドカップに向けて、という感じですね」と、ブラジル、ベルギーとの対戦を経て、ロシア・ワールドカップに向けて本格的にチームを仕上げていく決意を口にする。
 
 1-3で敗れたブラジルとの対戦では、スコア以上の実力差を突きつけられた。0-1で惜敗したベルギー戦は守備面で少なからず手応えを得られたが、得点ゼロと攻撃面では大きな課題を残した。
 
 世界の強豪国と対峙した今回の2連戦を踏まえ、今後いかにチームを強化していくべきか。吉田麻也の言葉を借りれば、ハリルジャパンの方向性は「ポゼッションを捨てて、ブロックを作ってカウンターにすべてを費やす」だ。
 
 攻撃面ではカウンターの精度をより高めなければいけないが、参考にしたいのがブラジルのそれだ。自陣内でマイボールにしてから前に行く時の迫力は圧巻で、スピードはさることながら、人数もふたり、3人と後から飛び出し、日本ゴールに迫っていた。
 
 厚みのあるカウンターをサイドから仕掛けるのであれば、中で待つ選手のポジショニングも重要になる。相手DFと駆け引きしながら、ニア、ファー、マイナスと、相手の対応に迷いを起こさせるアクションが必要だが、今の日本はエリア内でただスタンバイしているだけの印象がある。クロスの質を高めつつ、出し手の選択肢を増やすような位置取りに工夫を凝らしたい。
 
 守備面では、ベルギー戦の感覚を忘れずに、常にコミュニケーションを取りながら“いつ行くか、引くか”の使い分けの練度を高めていく。
 
 ブラジル戦で露呈したハイプレスとブロックの未整備な併用は、「プレスに行く部分は相当に話した」(長友佑都)ことによって、ベルギー戦では「前から行く時間帯とブロックを作る時間帯の使い分け、どのタイミングでスイッチを入れるかのオーガナイズの共通意識を統一できた」(槙野智章)。
 
 良い感触は掴めた。ワールドカップまでの代表活動期間は限られた時間しか残されていないが、各々がクラブで意識を高く持ちながら、力をつけて再び、集まった時にはスムーズにすり合わせていくしかない。
 
 もっとも、「(ナセル・シャドリ)ひとりに対して2、3人が囲んだ時に取れなかったのがすべて」(槙野)というベルギー戦の失点を振り返っても分かるように、デュエルの強化は必須である。局面の勝負で簡単に負けていては話にならない。
 
 それは欧州遠征を通じて一番、痛感した部分のはず。個の強さを身に付けることで、チーム強化の礎としたい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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