今週の「女のもやもやセラピー」。テーマは「病的に女好きな男」です。

ゲス不倫男よりたちが悪いのが、この「病的に女好き」な独身男です。ゲス不倫男は、左薬指の指輪のあるなしをチェックしたり、周囲からの既婚者情報を得れば直ちに避けることができます。

しかし、「病的な女好き独身男」は独身であるという点で、婚活女子の視野に入ってくる男性であるとともに、女好きが「病的な」ほどなのかどうかが判断しにくいからです。

そう、婚活女子にとって、世の男性は「女嫌い」と「女好きか」の2択であれば、当然「女好きじゃないと困る」のです。独身の男性には、ぜひとも3次元の女性を好きであって欲しい。だから、女性が好き、というのはいいんです。問題ないんです。

しかし、「病的」なまでにとなると、女嫌いと同じくらい困りものです。では「病的な女好き」とは、どういう程度のことを言うのか。限度を超えているというのはどのレベルのことを言うのか、というのが論点となってきましょう。

「病的なまでに女好き」略して「病女」……とするとメンヘラに難がある女子のように読めてしまうので、仮に「たっくん」としましょう。

たっくんは今、筆者の周囲で超絶嫌われている病的に女好きのアラサー男性をディスるときの筆者周囲だけで通用するあだ名です。たっくんの啄は石川啄木の啄。病的に女好きでクズの極みを生きた、明治時代の天才歌人に由来します。なぜ彼が「病的に女好き」と言われるかというと、理由は5つあります。

まず、「“1テリトリーひとりの法則”を守らない」
そして、「合コンの翌日に有給休暇を取る」
さらに、「女性と揉めると翌日会社に来ない」
しかも、「平日の19時以降、まったく連絡がとれなくなる」
なんと「鍵のかかる会議室で不特定多数の女性とイチャイチャしている(のを見たというウワサが広がっている)」。

どうでしょうか。つまり、会社の女性を食い散らかし、女遊びのために仕事を休み、勤務時間中にもイチャついている(←これはウワサ)という状況。これ、普通じゃないよね!

なぜ病的な女好きは社会から排除されないのか!?

本来、自分が好意をもっているか、あるいは相手からアプローチをされない限り、その男性が他の女性と遊んでいようがなかろうが、関係ありません。

しかし、たっくんの女好きは、一緒に仕事をする関係値レベルの女性たちをも巻き込みます。しょっちゅうしょっちゅう勝手に休まれたり連絡が取れなくなったりすれば、仕事にならないんです。役に立たないんです。しかも、その理由が女がらみ。

しかしこのご時世、「忙しいときに有給使うな」なんて言ったらパワハラです。しかも、彼はもともと啄木並みに体が弱い。病弱なんです。

そんな彼に「女と朝まで揉めて、睡眠不足だからって会社休んでいいことにはならないだろう」なんて言えません。会社で倒れられでもしたら、それこそ大問題です。

また、「平日の19時以降に連絡がとれない」といっても、それは「一応」勤務時間外。「でもさ、緊急事態かもしれないんだから、折り返しくらいするのが当然じゃない?」というこっちの都合のほうが、「段取りが悪い」と言われかねません。

だからこそ、もやもやしてしまうのです。確実にたっくんのほうが悪い気がするのに、指摘しにくいこの状況。そして、さらなる謎が浮かぶのです。

「こいつ、どうしてここ(会社)にいられるんだ?」。

人たらし、という点は大きいでしょう。本人が病的に女好きだからといって、女性がついていかなければ、それは、ただの病です。たっくんはモテるのです。残念ながら。

そして、その「女好きな上にモテる」たっくんのキャラクターは、一部の先輩や上司に異様にかわいがられるのです。接点を増やしておこぼれに与りたいという先輩、「かつての自分を見ているようで頼もしい」と感じる性欲もモテ力も減退した上司。たっくんに理想の自分を投影しているのかもしれません。

また、たっくんにうんざりさせられている仕事がデキる姐さんたちが、半ば自分のために彼の仕事をフォローしているので、彼が仕事ができないことが周知されていないという点にも注目したいところ。

仕事のデキる姐さんたちは、海賊の宴のような女子会では、強い酒を飲み交わしつつ「あんちくしょう」「朽ち果てればいいのに!」などと暴言を吐きますが、勝てないケンカはしない賢さがあります。

その分、もやもやと余計な仕事を抱えてしまうのですが、それもまたしかたがないこととわかり合える仲間とガハハと笑い飛ばすのです。

とはいえ、人生の後輩ともいえる独身アラサーOLちゃんたちが、病的な女好き男の毒牙にかかるのは、やはり見ていて気持ちのいいものではありません。

どうやって病的な女好き独身男は女性の懐に入り込み、そして切り捨てていくのでしょう。

たっくんですら仕事ができないことは秘密裏ですが、「チャラい」「軽い」「女好き」ってことは、仕事で接点のない筆者の耳にも届くくらいです。ちょっと付き合えばわかることなはずなのに……。

「本気で愛されているのかと思った」。その2では独身アラサーOLがうっかりひっかかった「病的な女好き独身男」の特徴を紹介します。

かわいい子ほどひっかかっちゃうんだよな……。誉め言葉なんて言われ慣れてるだろうに。