大型車用ブレーキなどを製造する株式会社TBKが所有している北海道帯広市岩内の試験場を日立オートモーティブシステムズが部分的に買収。2006年11月より使用している十勝テストコースにて、レベル3の自動運転に向けた日立のプラットフォームを体験しました。

レベル3とレベル2では「何かあったときの責任の所在」が大きな違いとされます。

レベル2ではあくまで「何かあったらドライバーが運転をしてください」に対し、レベル3では「何かあったら車両側でリカバリなり安全に停止する」ことが必要です(これを縮退運転というんだそう)。

今回試乗した実験車両には、各種センサーとそれらを処理するECUのほかに、それらの情報を一括してまとめるコントロールユニットが搭載されています。これが「何かあった」と判断すると、その起こった事象に合わせて適切な判断を下し、車両を制御することができるのです。

具体的には、前後左右を映像で見張る4つのカメラ、車両4隅の中距離レーダ、前方を見つめるステレオカメラ、遠くの物体を検知する長距離レーダ、GPSや車両からの情報とマップによる自車位置の把握などの情報を統合します。そういった機器には日立グループ、クラリオンによる製品群が使用されています。

試乗コースでは車両をアダプティブクルーズコントロール(ACC)と同じように車速を今回は40km/hにセット。車線が描かれている部分ではステアリング制御も行い、いわゆる自動運転状態に入ります。ここで、擬似的に一部の外界認識センサーに異常があったと想定した信号を送ります。

すると、ドライバーには音と光の点滅で警告します。それでもドライバーが何も策を講じなければ、車両のVMC(Vehicle Motion Controller)がゆっくりと車両を停止させます。

今回は異常があった際のデモンストレーションの一つとして、もっとも単純に車線内にそのまま車両停止させましたが、場合によっては安全と判断した路肩にステアリングを切って停車させる、というような制御を織り込むことも可能とのこと。

自動停止したのち、ブレーキを踏むことで車両は復帰し、通常の運転が可能となりますが、ヘッドアップディスプレーには「点検が必要」とのアラートが表示されることとなります。

そう、この実験車両にはヘッドアップディスプレーが装備されていますが、それも開発中のものです。

スタートボタンを押すと同時にドライバーの両目を検知。それにより、ヘッドアップディスプレーの表示高さを自動調整してくれます。複数のドライバーが運転する車両の場合には便利な機能でしょう。

特徴的なのは反射させるフロントガラス部分に特別な加工などがされていないこと。これはマクセルの技術で可能としたそうで、HUDの有無によるガラスの作り分けが必要となくなれば、より視線移動が少なくて済み安全に寄与するHUDの普及を推進することとなるでしょう。ちなみに、映し出される虚像は、およそ20m先にあるように見え、かなり遠くを見ている感覚でした。

このように、モーターをはじめとする電気製品、センサーなどの電子部品等、日立グループできる強みを活かしたデモカーで、来たるべき自動運転の次の波に準備は着々と進んでいると言えそうです。

(clicccar編集長 小林 和久)

 

日立のグループ力を生かし、着々と進む自動運転への準備【日立メディアデー2017】(http://clicccar.com/2017/11/15/528221/)