熊崎コミッショナーから斉藤顧問(写真)へのバトンタッチには、異論も噴出している

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 プロ野球界トップのコミッショナー人事が、27日に都内のホテルで行われる12球団オーナー会議で正式決定される。2014年1月に就任した熊崎勝彦コミッショナー(75)の任期が11月末に切れるためで、後任は7月にコミッショナー顧問に就任したばかりの斉藤惇氏(78)が濃厚といわれるが、“法の番人”から“ビジネスマン”へのバトンタッチは大きなリスクを伴う。

 斉藤顧問は現在、米投資ファンドのコールドバーグ・クラビス・ロバー(KKR)日本法人会長を務める。野村証券の副社長や再生産業機構の社長なども歴任している生粋のビジネスマンだ。

 7月のオーナー会議でコミッショナー顧問に就任したのも、侍ジャパンの事業会社・NPBエンタープライズの事業推進へのアドバイザー役としてだった。オーナー会議・末沢寿一議長(日本ハムオーナー)は「ある球団のオーナーからの推薦です」と語っている。

 となると、パ・リーグサイドが見え隠れする。というのも、そもそも熊崎コミッショナー誕生の際、パのオーナーたちは「今どきのコミッショナーは法の番人ではなく、ビジネスを展開できる人でないと時代の潮流に取り残される」とビジネスマンを熱望。しかしセのオーナーたちが「従来の法の番人で良い」と、東京地検特捜部長など検察畑一筋で、コミッショナー顧問を長く務め球界事情も熟知する熊崎氏を強く推した経緯がある。

 結果的に、セの人選が大正解。平成の黒い霧事件ともいわれた巨人選手の野球賭博事件などの難局を乗り切った。

 「前任者の外交官出身の加藤コミッショナーや、経済界出身者だったら、全く対応できず立ち往生していただろう」と球界関係者は熊崎コミッショナーの辣腕に胸をなで下ろしたものだ。

 それだけに、球界関係者から「3年後の東京五輪終了まで熊崎コミッショナーに続投してもらうべき」という声が挙がっているのも当然だ。「球界からの反社会的勢力排除はまだ途上で、手を緩められる状態ではない」という現実がある。

 あくまで“ビジネスマンコミッショナー”でいくというなら、従来のセ・パ対立構図を解消、三位一体の態勢を築くしかない。(江尻良文)