<記者コラム:オトゴト>
 本日、東京・両国国技館で開催されるスポーツと音楽の祭典『ParaFes 2017〜UNLOCK YOURSELF〜』に出演するため初来日された、両腕のないブラジル人ピアニスト兼ギタリストのジョナタ・バストスさんと、“和製スティーヴィー・ワンダー”とも呼ばれる全盲のミュージシャン・木下航志さんに取材させてもらいました。

 お2人ともハンデを背負いながらも、素晴らしい演奏や歌を届けてくれるミュージシャンです。ジョナタさんは腕と顎(アゴ)を使用してピアノを、そして、足の指を巧みに使用しギターを弾きます。その演奏は足で弾いているとは思えないです。

 その凄さは音源からでももちろん伝わってくるのですが、お2人の演奏している姿には、一見不可能だと思われることを可能にすると言う、並々ならぬ努力の結晶が伺えました。実際にお会いしてみて、話してみるととにかく明るくて、ポジティブなエネルギーを現場に振りまいていたのも印象的でした。

 今回の取材で筆者が感銘を受けたのは、自分もギターを弾くことが趣味ということもあり、ジョナタさんにギターについて伺った時のことでした。筆者は「きっとギターを足で弾きやすいように改造をしているのだろう」と考えていたのですが、ジョナタさんから返ってきた回答は意外なものでした。

 「特別なギターではなくて、皆さんが弾いているギターと同じものです。チューニングも特別なことはしていません」とのことでした。それはなぜなのかと問うたところ、「楽器を自分に合わせるのではなく、自分を楽器に合わせています。なぜなら、どこに行っても、どこのメーカーのギターでも弾けるようにしたかった」という理由でした。

 弘法筆を択ばず、道具のせいにする人も多くいる中、道具に合わせて自分自身を変えていく。その精神に感動しました。そのインタビューのもようが現在公開されていますので、是非読んで見てはいかがでしょうか。もしかしたら、何かしらのヒントがお2人の言葉の中にあるかもしれません。【村上順一】