熊本県に寄せられたアルコール依存症に関する電話相談が2016年度149件に上り、15年度の約2・6倍に急増したことが14日、県への取材で分かった。昨年4月の熊本地震に伴う環境変化や失業、生活再建への不安など被災ストレスの影響とみられる。17年度も4〜9月時点で107件と前年度を大きく上回るペースで増えており、県は同日、熊本市の県精神保健福祉センターに相談窓口を設置した。

 県によると、相談は中高年男性の家族からが多いという。酒量が増えた理由として「仮設住宅に移ったストレス」「地震の影響で仕事内容が変わった」などが目立ち、暴言を吐いたり、周囲とトラブルを起こしたりするなど、家族の悩みは深刻という。

 熊本県が設置した相談窓口は、専門家が家族からの相談などを受け付けるほか、複数の患者同士で断酒に取り組む支援プログラムも実施する。担当者は「飲酒は習慣化して依存症に至る。家族は早期に相談を寄せて」と呼び掛けている。

 東日本大震災の被災地でもアルコール依存症は問題化。震災後、宮城県への相談数は約2倍に増え、津波被害の大きかった沿岸部では約3倍に上ったという。熊本県精神科協会「熊本こころのケアセンター」が今春、仮設住宅に暮らす4781人を調査したところ、7・5%の360人が依存症に移行する飲酒リスクがあったという。

=2017/11/15付 西日本新聞朝刊=