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ホリエモンはなぜ、負けたのか?(1)

ホリエモンはなぜ、負けたのか?(1)
投票日の夜も尾道駅前の堀江候補の選挙事務所には若者たちがたむろしていた (撮影:三國裕史)
【PJ 2005年09月12日】− 衆議院議員総選挙で広島6区に出馬していたホリエモンこと堀江貴文候補が次点で落選した。前職で当選した国民新党の亀井静香候補との得票差は2万6000票あまり。比例で前職の民主党の佐藤公治候補の得票を多く奪ったものの、亀井候補は前回同様、11万票以上を獲得。「亀井王国」の地盤を突き崩すことはできなかった。

 それにしても、投票日直前の無所属新人候補としての「ホリエモン旋風」は凄まじかった。特に選挙区のうち有権者の多い瀬戸内海を臨む尾道市と三原市の市街での人気は亀井候補を凌ぐものがあっただろう。街頭演説をすれば、駅前に1000人近くの人だかりができ、選挙戦最後10日夜の尾道市公会堂での演説会では、1500人の定員がすぐに満席になり、公会堂の外にまで人が溢れ、入場制限をしなければならないほどだった。亀井候補が無料バスで北部から有権者を動員しなければ集められなかったのにである。

 しかし、本人が街頭演説で漏らしたように「ホリエモンの話を聞いているのは、子どもばかりで、有権者ではない」というマスコミの指摘は、あながち間違いではなかったようだ。堀江候補は「子どもは日本の宝だ」と一蹴したが、有権者ではない若者たちが携帯電話やデジカメを片手に有名人を撮影する姿ばかりが目立った。

 「改革」の文字が映える黒いTシャツの選挙ボランティアも若者ばかりで、どこかの高校の生徒会長選挙を髣髴(ほうふつ)とさせる。若者に「近所のおばさんたち」が加わり、人数は多いが、国政選挙とは思えない、選挙ごっこのようだった。無所属新人の手作り選挙もいいが、マスコミ対応や選挙戦略などはやはり、キラリと光る「プロ」が必要なのではないだろうか。素人集団では、勝てるものも勝てない。

 また、尾道市と三原市を結ぶ国道2号線沿いには、未だに未完成のバイパスの入り口や港湾の工事現場なども目立つ。全国的に都市型選挙になったと言われるが、広島6区には地元への利益誘導はまだ必要であり、堀江候補のように「縁もゆかりもない」候補を冷静な有権者は歓迎しかねたこともあるだろう。

 さらに、堀江候補の街頭演説や竹中大臣を招いて行われた講演会でも、内容はおとなしく、何が言いたいのかが分かりにくい。ライブドア社長としての講演や著書にあるような堀江節の分かりやすさは選挙選後半にはもうなくなっており、聞いていても二流政治家のような「そつのない」ものにまとまっていた。小泉首相が「郵政民営化しか言わない」と野党に批判されつつも、分かりやすいと国民の多くに支持されたことを考えると、「新規参入」で鳴らしたはずのホリエモンが丸くなり、存在意義は薄れてしまっていた。

 それでも、また広島6区から立候補したい、と堀江候補は敗戦の弁を述べた。継続は力なり。今回の反省を生かして、チャレンジするのもまた人生。当選9回の大物政治家を脅かしたことだけは事実だ。【了】
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 國分 裕之【 神奈川県 】
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