相談してほしいと呼びかけたKEI氏

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 米国の刑務所で約12年間にわたって服役し、帰国後はNPO法人「グッド・ファミリー」代表として様々な悩みを持つ人々のカウンセリングを行っているKEI氏(56)が、現在の日本社会にも多数存在する自殺志願者への対処法を明かした。刑務所でカウンセリングを学び、このたび「プリズン・カウンセラー」(東京キララ社)を出版したKEI氏の獄中式カウンセリング法とは?

 10代のころにヤクザになったKEI氏は、覚醒剤をサイパンなどで売りさばいたりしていたが、FBI(米連邦捜査局)のおとり捜査で捕まり、1988年から2001年まで米国の刑務所に服役した。重犯罪者ばかりが集められた危険度マックスの刑務所を転々とし、その中でメキシコマフィア「チカーノ」と親交を深め、一員と認められた。

 服役している間に、KEI氏が取り組んだのが勉強だった。家族について学ぶパレンティン(子育てという意味)という講座を皮切りに、薬物依存更生プログラムを受講。さらに約3年間かけてカウンセラーの資格も取った。

「うつ病の人や自殺志願者とか、リストカットの人への対処法を勉強しました。刑務所の中も(家族と会えない寂しさから)クリスマスの日にはものすごい自殺者がいるんで、ホーミー(チカーノの仲間)たちの相談みたいなことを中でやり始めました。最後のほうは勉強が楽しくて、週5日間ぐらいは夜に講座を受けに行っていました」

 帰国してからは旧知の警察官の言葉でマジメに生きることを決意し、「グッド・ファミリー」を立ち上げた。特に虐待などで居場所がない子供のために活動しており、「ホーミー・マリン・クラブ」というマリーナを神奈川県平塚市に開設し、子供たちに開放している。そして近日中に子供たちが無料で食事などをできる「グッド・ファミリー・パーク」を茅ヶ崎市にオープンする予定だ。

 KEI氏はこれまで対面や電話、メールなどで3万人以上の相談に乗ってきた。その中でも一定の割合を占めるのが、自殺志願者からの相談だ。先日の座間市のアパートで男女9遺体が見つかった事件でも、自殺志願者がクローズアップされた。

「死にたいという相談はいっぱいあります。『死ねば』って言いますね。『やめなよ』と言うと、絶対やるんですよ。『やれば』と言うとやらない。『何で止めてくんないんですか?』『なんでこうなったか聞いてください』と返事が来ます。そうするとキャッチボールが始まるじゃないですか。『じゃあ全部聞いてあげるからマリーナに遊びにおいでよ』と言うと、結構来ますね。そこで話を聞いてあげたりして。話をしていくうちに、どこかでバイトでも始めれば、ほぼ立ち直ります」

 ホーミー・マリン・クラブには親交のある俳優の竹内力(53)らもプライベートで訪問し、悩める子供たちと一緒になって時間を過ごしてくれたこともあったという。

「引きこもりで相談に来てる子なんで声をかけてあげてくださいと力ちゃんに言ったら、『そんないい年して何が引きこもりだ、このヤロー! もっと筋トレしろ』と。それでその子は元気になりました」

 KEI氏は米国の刑務所で学んだカウンセリングで、今日も悩める子供たちの相談に乗っている。