(写真提供=SPORTS KOREA)元Rainbowのキム・ジスク

写真拡大

ブログやSNS内で大きな影響力を持つ人のことを“インフルエンサー”という。

今やSNSの主流となったInstagramやYoutubeなどで多くのフォロワーを持つ人たちが“インフルエンサー”と呼ばれ、韓国には一般人でありながら芸能人顔負けの人気を博すインフルエンサーが多い。

例えば、韓国で“美しすぎるCEO”と呼ばれるチョン・ボラムだ。
(参考記事:「美しすぎるCEO」チョン・ボラムの“顧客満足ボディ”が話題!!

彼女のInstagramのフォロワーは41万人を超えており、その人気ぶりは、「今、ネット上で一番ホットな女性」と称賛する報道もあったほどだ。そのおかけで彼女がCEOを務めるファッション通販サイトも、その認知度を急激に伸ばしている。

韓国の有名“インフルエンサー”たち

レーシングモデルとして活躍する傍ら、ラウンドガールとして注目を集めるキム・ジナも、韓国の代表的なインフルエンサーといえるだろう。

キム・ジナのInstagramのフォロワー数は100万人を超えているのである。

コミュニケーションアプリおなじみLINEのUIデザイナーだったコ・ヒョジュさんも、“インフルエンサー”として成功したケースだろう。

彼女は、趣味で始めたロングスケートボードによって今や誰もが羨む人生を送っているケースだ。InstagramとYoutubeにアップしたライディングの動画が注目を集め、韓国ではロングスケートボード・ブームの火付け役となった。

そして彼女はLINE退社後、世界を旅しながらライディング三昧の日々。「Gucci」「KIEHL’S」など世界的ブランドからアンバサダーのオファーを受けることで、収入も確保しているという。

企業も注目するインフルエンサー・マーケディング

注目すべきは、韓国では最近、こうしたインフルエンサーたちの影響力を借りる「インフルエンサー・マーケティング」が、かなりポピュラーな広告手法となっていることだ。

例えば韓国大手企業の「サムスン電子」や「LG電子」は毎年専属のブロガーを選定し、マーケティングに活用している。

選ばれたブロガーたちは企業のコミュニケーション・パートナーとなって新製品のイベントはもちろん、世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショーである「IFA」にも参加する。彼らは製品についてメディアとは一味違うプレビューを提供し、企業は彼らに対価を支払うことで良好な共生関係を築くのだ。

以前、本欄でもインタビューさせていただいた“美しきヨガ女神”イ・ユジュさんも、SNSがきっかけで企業とパートナーシップを交わしたインスタグラマーだ。

韓国でも事業展開する某スポーツブランドは、約5万6000人のフォロワーを抱える彼女の人気に注目し、広報モデル契約を交わした。彼女はそのブランドのウェアを着用して、大胆なヨガ・ポーズを披露し、それがさらにフォロワー増加とブランド認知度アップに貢献している。

ただ、フォロワーが多ければインフルエンサーになれるわけではない。企業から重宝される韓国のインフルエンサーたちは、専門的な知識を基にした消費者寄りの優しい解説で、信頼を集める人がほとんどだ。

例えば、2014年の「韓国ブログアワード」でIT部門優秀賞に輝いたパワーブロガーの“ビエルジュ”は“元サムスンマン”である。

会社に勤めていた頃はプライベートを費やしてブログを運営していたのだが、「ハードな会社業務から解放されながらも、給料と同レベルの収入を得る」ことを目標に良質のコンテンツを量産した。

結果、サムスンを退社し、専業ブロガー・ITコラムニストという新しい肩書きを獲得したといわれている。

彼と同じIT部門のインフルエンサーには、アイドル出身も存在する。元「Rainbow」のキム・ジスクがその人だ。

ブログの累計訪問者数900万人を誇る彼女は、ノートパソコンのメモリを取付けながらBIOS設定を変更するなど、IT製品においてプロ並みの知識を持っており、ITコミュニティで爆発的な話題を集めた。彼女を専属ブロガーに起用したLG電子は、ブログの訪問者数が以前に比べて約60%も増えたという。

悪質なインフルエンサーにはご注意を

ところが、こういったインフルエンサーには必ずしも企業の味方になってくれるわけではないところもある。

一部ではあるが、商品のレビューを掲載する対価として常識はずれの金額を企業側に要求する悪質インフルエンサーもいるそうだ。その上、自身の要求を断られたり、イベントに招待されなかったりしたことを逆恨みし、意図的に悪意のあるレビューを掲載する場合もあるという。

17歳でネットショッピングモールを企業し、オープン6カ月で売り上げ1億ウォン(約1000万円)を突破して話題になった美少女CEOキム・スギョンも、“インフルエンサー・マーケティング”で苦い経験を味わったといわれている。

このように人気や影響力があるインフルエンサーたちがそれを悪用するのも問題だが、さらなる問題は本人の自覚がない場合だろう。

自身は「面白い」と思って掲載したコンテンツが、気づかないまま人々に悪い影響を与えることもある。例えば、Youtubeでよく見かける“ハウル動画”などが代表的だろう。

ハウル(HAUL)とは“引っ張る”という意味を表す英単語。SNSの世界では、購入した商品を袋から“引っ張り出して”きて、パッケージを開封しながら感想や意見を語るという意味で使われている。

そんなハウル動画の中には常識的な範囲でコスメや洋服、文具などを購入し、その情報を共有するものが多い一方で、「800万ウォン(80万円)相当のブランド品を買ってきた」といった、庶民感覚とかけ離れたものもある。

もちろんコンテンツを見る人が自覚を持って楽しむ分には何の問題もないが、知らないうちに相対的剥奪感に陥ったり、余計な購買意欲を刺激されたりする人も多いようだ。

その結果が悪口コメントとして現れるので、配信者と視聴者どちらのためにならない。

今やプロより一般人によるコンテンツのほうが多く配信される時代だからこそ、見る側もコンテンツの良し悪しをきちんと見極めなければならないのだろう。

広告を仕掛ける企業とコンテンツを配信するインフルエンサー、それを見受ける消費者。全員にとって楽しく、得になるインフルエンサー・マーケティングが増えてほしいものだ。

(文=慎 武宏)