ここcitrusでも散々繰り返し書いているのだけれど、私は「ちょいワルおやじ」という言葉がとても嫌いだったりする。

暴力を振るったり、クスリをやったり……の「ごく(極)ワル」じゃなく、法律に抵触しない程度の悪さをする不良中高年のことを指すのは、今さら説明するまでもなかろう。また、その安全圏内でのワンランクアップ的コンセプトがオヤジ心を刺激してやまないのはわからなくもないが、結局のところは

「年齢を重ねて培ってきた経験や経済力をひけらかして、若い女子をサプライズさせる」

……ことだけに終始してしまっているのが、どうも私にはいただけない。つまり「ちょいワル」の「ちょい」の部分が、あまりにセコすぎなんである。

それって、女子側からすれば単なるカモじゃないですか。「今日は食べたこともない美味しいご飯をありがとうございました。ではサヨナラ〜」って……。軽い急病のフリをしてでも、ハートのこもっていない土下座をしてでも、〆はホテルでベッドインまで持っていってこその“ワル”じゃないのか?

だから、私はネット上で「ちょいワル」というコピーを見つけたら、その都度ことごとく攻撃するよう、日夜努めている。オーバーフィフティの私ら世代のおやじたちに、

「若い女子からお金をむしり取られておしまいではなく、最後はちゃんとヤレる男」

……になってほしいと、心底から願っているからだ。そして、つい先日にも「ちょいワルおやじ狩り」のさなか、こんなバナー広告を発見した。

「深夜向けちょい悪オヤジのアプリ比較/提携!男性向けオススメ神アプリ30選」

ちなみに、表記のしかたには「ちょい悪オヤジ」「チョイ悪おやじ」「ちょいワルオヤジ」……など、多少のばらつきがあるが、「平仮名・片仮名・平仮名」ときて、「悪」を「あく」と読み間違えない「ちょいワルおやじ」がもっとも一般的かと思われる。

で、ちょいワルおやじが比較し、厳選した(?)その「神アプリ30選」ってやつが、「おっさん用のグラビア&ゴシップ満載のネットマガジン」だとか「マンガアプリ」だとか「ゲームアプリ」だとか「女性とのライブチャットアプリ」だとか「へそくりの作り方アプリ」だとか……と、そんなんばっかなのだ。

これじゃあ、「ちょいワルおやじ」どころか、妻や子どもが寝静まったころ、秘かにスマホを眺めながらアプリを楽しむ「害のないイイお父さん」以外の何者でもない。そうなのか……いつの間にか「ちょいワル」は「家族に内緒で“ちょいエロ”だったり“ちょい時間つぶし”だったり“ちょい銭稼ぎ”に励むこと」にまで成り下がっていたのか……。

私がこれまで目の敵にしていた「ちょいワルおやじ」が、もはやこのような体たらく状態では……私の「ちょいワルオヤジ撲滅運動」も、そろそろ終焉を迎えつつあるのかもしれない。宿命のライバルを失い、なんとなく“ちょい淋しい”気分でもあるのだが……?