画像提供:マイナビニュース

写真拡大

●楽天全体の戦略は?

楽天がプラスワン・マーケティングのMVNO事業を買収したことは記憶に新しいが、次のターゲットはあるのだろうか。楽天が13日に開催した決算説明会で三木谷浩史社長が示した見解とMVNOの環境を考慮しながら、先々の事業買収について考えた。

○楽天全体の戦略を知る

楽天モバイルは140万契約を擁する日本最大のMVNOだ。9月末にプラスワン・マーケティングのMVNO事業の買収を発表。11月1日には事業承継を完了させた発表した。事業承継により獲得できた契約数は公表されていないが、およそ40万契約と見られる。

そして、今回の買収の狙いは、この契約者の獲得にあったと見られる。楽天の全体の戦略からモバイル事業を見れば、そう考えざるを得ないのだ。

楽天が13日に開催した決算説明会には、三木谷浩史社長が登壇。同氏は楽天のビジネスについて言及した。同氏が語るところによると、より一層のデータビジネスを進化させていくことを強調した。

顧客データと顧客基盤を企業の資産と位置づけ、クレジットカードデータやそれに紐づくロケーションデータなど、様々なデータを活用することで、広告ビジネスや投資活動につなげ収益化を図ろうとしているのだ。

だからこそ、楽天の代表的事業となる楽天市場に対しても、飛躍的な収益の増加より、データを集めるアンカー役として期待しているという。データ活用を中核として、収集するための会員サービスが周囲にあると見るべきだろう。

●楽天のMVNO買収は続くか

○MVNOの事業買収は続くか

楽天モバイルの位置づけも同じだ。三木谷氏は次のように話す。「楽天イコール楽天市場というイメージがあると思うが、楽天は会員ビジネスに移行したと考えたほうがいい。カードであったり、通信サービス(楽天モバイル)であったり、それを会員に展開していくという考え」(三木谷氏)。

楽天モバイルという通信サービスを提供し、楽天内のサービスを組み合わせながら、魅力あるサービスを展開していく。そして、その中核として活かしていくのが顧客データと顧客基盤ということになるだろう。

では、本題となるMVNO買収についてだ。三木谷氏は「現時点ではない」としながらも「経済効率性が合えば当然否定することではない」とする。このコメントからは何もわからないが、周囲の状況を合わせて考えると少し見方が変わるはずだ。

○目指す高みは1000万契約

楽天モバイルがスタートした当初、三木谷氏は1000万契約を掲げていた。そして目標値は今も変わっていない。現時点では140万契約。言葉どおり忠実に計算すれば860万契約を獲得していかねばならない。これだけの契約数を自前で獲得していくのは無理があるだろう。

MVNOの環境も見てみよう。以前述べたように、MVNOは上位数社しか黒字化を果たせていないのが現状だ。体力がいつまでもつかという、我慢大会に近い状況にある。耐え切れなくなったMVNO事業者を楽天が買収するというのは、大いにありえる話だ。

繰り返すが、楽天にとっての資産は顧客基盤とデータだ。事業買収の話はないのが現状だが、先々の目標と取り巻く環境を考えれば、いつ話が湧いてもおかしくないと見るべきだろう。事業買収の話があるとすれば、その際、注目したいのが、1契約者あたりの獲得コストになりそうだ。