杏子、山崎まさよし、秦 基博らコラボレーションで示した“絆” 『Augusta Camp 2017』振り返り

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 オフィスオーガスタ所属のアーティストが集結する毎年の恒例イベント『Augusta Camp』。9月23日開催の『Augusta Camp 2017』は昨年に引き続き、富士急ハイランド コニファーフォレストにて行なわれた。今年は全編オフィスオーガスタ所属アーティストのみが出演するコラボステージで、事前企画「あなたと作るオーガスタキャンプ」でリクエストの多かった楽曲がセットリストに組み込まれる、という新たな取り組みを行ったイベントとなった。

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 オフィスオーガスタの“長男”的存在で今回のバンドマスターでもある山崎まさよしが「オーガスタキャンプ、始まるよー!」と客席に呼びかけ、福耳にとって5年ぶりの新曲「Swing Swing Sing」からライブがスタート。<踊れ 同じ今日なら/見てるだけじゃつまんないだろ>と煽るようなサビの歌詞はまさにイベントの始まりにふさわしいものだった。続いて今年初めてメインステージに出演した村上紗由里も迎えて全員で「DANCE BABY DANCE」(福耳)を披露し、アコースティックセットでの前半戦へ。

 村上がピアノ弾き語りで「あげます」、そしてギター1本で「落陽」を堂々と歌唱すると、秦 基博、浜端ヨウヘイ、松室政哉が“ハマハタヨウセイ”として歌ったのは「キミ、メグル、ボク」(秦 基博)。三人の柔らかな歌声が奏でるハーモニーに会場がじっくりと聴き入った。また岡本定義(COIL)が「夏はこれからだ!」(福耳)を歌唱した際には、コーラスを務める浜端、松室、村上がオリジナルの振り付けを見せる場面も。原曲よりもゆったりとしたアレンジとなり、アコースティックならではの魅力が溢れていた。

 さらに「“キャンプ”といえば大好きな曲が」という杏子のリクエスト曲「星に願いを」(山崎まさよし)に続き、スキマスイッチ、杏子、松室による「藍」(スキマスイッチ)へ。「藍」では大橋卓弥の伸びやかな歌声と杏子のハスキーボイスが、原曲とは異なる味わい深さを生み出していた。そして『Augusta Camp』の定番とも言える「セロリ」(山崎まさよし)では、スキマスイッチを中心に、山崎、秦、松室、あらきゆうこ、竹原ピストルが声を合わせてラップ部分を歌いし、会場を沸かせた。

 そして元ちとせが自身の代表曲とも言える「ワダツミの木」をさかいゆうとともに歌い上げる。透き通るような2人のユニゾンが豊かな自然の中に響き渡った。その後さかいは山崎、あらき、秦とリクエスト曲「ジャスミン」(さかいゆう)を歌うと、大橋を迎えて久々の歌唱となった「ピアノとギターと愛の詩(うた)」(大橋卓弥(スキマスイッチ)+さかいゆう)へ。2人の美しいファルセットが心地良い空気を生み出していく。

 そして山崎がリクエスト曲「One more time, One more chance」を切実なボーカルで歌い上げ、最後は竹原とスキマスイッチが「よー、そこの全力少年」(「よー、そこの若いの」(竹原ピストル)+「全力少年」(スキマスイッチ))をパフォーマンス。<よー、そこの若いの>と竹原が叫ぶように歌うと、<いつだって僕らきっと>と大橋が力強く返す。ここでしか見られないマッシュアップに、会場は大いに盛り上がった。

 続いてスペシャルアクトとして、大野雄二&Lupintic Six with Fujikochans ~LUPIN THE THIRD SPECIAL~が登場。前半のアコースティックとは雰囲気の異なる、7人編成のバンドとFujikochansがゴージャスなサウンドを奏でていく。ムーディな「TORNADO 2017」、迫力ある「銭形マーチ Fujikochans ver.」を演奏すると、“オーガスタの不二子ちゃん”として杏子をボーカルに迎え「炎のたからもの」へ。厚みのあるホーンの音色に乗せて歌う杏子の歌声はより色気を増し、徐々に夕暮れを迎える会場の雰囲気とマッチしていた。

 バンドセットの後半戦では、元をセンターとする「ハミングバード」(元ちとせ)に続き秦が中心となってリクエスト曲「鱗(うろこ)」を歌唱。昨年全員で「ひまわりの約束」を歌い感動したことを振り返った秦は「“おかわり”したいなぁ」と発言し、フルメンバーによる「ひまわりの約束」へ。個性豊かなボーカルが重なり合うことで、歌詞にこもったメッセージがより強く伝わるようなステージとなった。

 また、リクエスト曲の「目を閉じておいでよ」(BARBEE BOYS)では女性パートを歌う杏子に対し竹原、大橋、そしてカボチャの被り物をした山崎が入れ替わりで男性パートを歌唱。<目を閉じておいでよ/顔はやつと違うから>と歌う男女の屈折した恋愛模様を描いた歌詞を体現したようなパフォーマンスだった。続いて杏子が「童話にインスパイアされて書いた」という「青猫」へ。日が暮れ出した空も相まって、楽曲の切ない雰囲気が増していた。さらに「LOST」(ナタデココ)では秦がベース、大橋がドラムを担当したり、“アイドルになりたかった”というあらきが「Train run」(あらきゆうこ)でメインボーカルを務めるなど『Augusta Camp』ならではのスペシャルなパフォーマンスも多く見られた。

 浜端の伸びやかな歌声が響き渡る「Circle」に続いて、昨年大きな話題を呼んだスペシャルコラボ、竹原と秦による“はったんぴーちゃん”がさらにパワーアップして登場。昨年以上に切れ味の良いダンスを見せながら「はったんぴーちゃんはじまりのテーマ」、「ちゅ・ちゅ・ちゅ I want you♡2017」を歌って会場を盛り上げる。さらに二人はユニット名にちなんで法被を着ると、新曲「はっぴー音頭」を楽しそうな表情で歌い、「はったんぴーちゃんさよならのテーマ」で締めくくった。そして山崎が「あれはあれ、君は君」と長澤に呼びかけて会場の雰囲気を一転させると、長澤がまっすぐな歌声を響かせて「蜘蛛の糸」(長澤知之)を歌唱した。

 終盤にはリクエスト曲「奏」(スキマスイッチ)で大橋の柔らかく透き通った歌声と秦の繊細で色気のあるボーカルによるハーモニーも聴くことができた。これまでも何度も“ハタクヤ”としてともに歌ってきた二人。「奏」はその集大成ともいえる、パーフェクトなパフォーマンスだったように感じた。そして大橋が「気温は下がっているけど、ステージ、客席のパワーは上がっている気がします!」と意気込み、ステージに杏子、山崎らを呼び込むと再び「全力少年」へ。コール&レスポンスを楽しんだり、サビ部分を客席が熱唱するなどし、会場は熱気に包まれていった。

 今年で25周年を迎えるという記念すべき年にオフィスオーガスタからデビューする松室にも注目が集まる。松室は杏子をはじめとする先輩アーティストに祝福されながら、デビュー曲となる「毎秒、君に恋してる」を福耳フルメンバーで披露した。長澤が福耳に書き下ろしたロックナンバー「ブライト」で本編を締めくくると、アンコールでは「惑星タイマー」「星のかけらを探しに行こう Again」(ともに福耳)を歌唱。最高顧問となった“ジャイアン”こと森川欣信前社長に感謝の思いを伝えてイベントは終了した。

 今年はオフィスオーガスタ所属アーティストたちのみがステージに立つことで、例年以上に絆の強さを感じられる『Augusta Camp』となっていた。互いの個性を知り尽くしているからこそ、それぞれの声を生かすようなパフォーマンスができるのだろう。今後もこうしたコラボを通して様々な歌唱や音楽性にチャレンジし、各アーティストが新たな変化を見せることを楽しみにしたい。(村上夏菜)