生まれて間もない子どもにとって、抱っこされること・人肌に触れることは、ものすごく重要な愛情表現。どれだけ抱っこされていたかで、学習能力や、記憶力に影響が出るという話もあります。

乳幼児期は、母親や父親など特定の大人との間に、愛着関係を形成する時期である。愛情に基づく情緒的な絆による安心感や信頼のなかで、興味・関心の対象を広げ、認知や情緒を発達させていく。(文部科学省

けれど、呼吸のサポートや何らかの治療・ケアが必要な赤ちゃんは、生まれてすぐにお母さんのもとへ行けるわけではありません。

そんな時に82歳のDavid Deutchmanさんは、誰よりも必要とされる人になるのです。

愛情が、こぼれ落ちてしまわないように。

「ICU Grandpa」、ICUのおじいちゃんと呼ばれているDavidさんは、今年でICUに勤めて12年目のベテラン。彼は仕事を定年退職したあとに、自分になにか出来ることはないか、とボランティアを希望して、小児専門病院『Children’s Healthcare of Atlanta』を訪れたといいます。

それから、PICU(小児集中治療センター)やNICU(新生児集中治療室)で、いつでも家族と一緒にいられない赤ちゃんのケアをするようになったのです。「赤ちゃんを抱くことと同じくらい、お母さんの気持ちに寄り添うことが大切だ」という彼は、ICUを出たあとも、治療やケアで気を張り続けているお母さんの腕から赤ちゃんを預かり、「ゆっくりご飯を食べておいで」と声をかけてあげるそうです。

これまで愛情を注いで抱っこしてきた子どもたちは、実に1,000人以上。ときに子守唄を歌いながら、一緒にウトウトしながら、穏やかな時間を過ごしてきました。もちろんお漏らしをしたり、よだれで服が汚れてしまうこともあるけれど、「素晴らしい贈り物だ」と笑うのだそう。

「健康な状態で生まれてこれなかったとしても、人の愛情を浴び続けることで、回復力が高まり、早く退院できるようにもなる」と、ナースのエリザベスさんは言います。

赤ちゃんを抱き、声をかけて微笑むことの専門医であるDavidさんは、この病院に欠かせない、唯一無二の存在なのです。

Reference:文部科学省,INSIDE EDITION
Licensed material used with permission by Children’s Healthcare of Atlanta,(Facebook)