「話が続かない」と嘆く人にも役に立ちます(写真:kotoru / PIXTA)

営業、交渉力などの研修講師として5000人以上を指導してきた大岩俊之氏による連載「入社1年目の営業」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする。

質問は意図と狙いを明確に


アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

こんにちは。ロールジョブの大岩俊之です。客先での商談中、当たり前のように皆さんはさまざまな質問をしているはずですが、その質問の意図や狙いを意識して話をしていますか?

営業に慣れていない時は、客先で商談したあと、上司や会議の場で報告を求められた際、必要な情報のヒアリング不足で上司に叱られてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。特に技術部門や工場(商社であればメーカー)と打合せをする際に、「○○はどうなっているのか?」などと、本来は営業マンが客先から聞き出しておくべき情報が不足していることで、大勢の前で突っ込まれてしまった経験は、誰もが持っているはずです。

私が会社員時代に働いていた電子部品業界は、車載、AV情報機器などの大手メーカーが取引先となるため、技術部門、工場などの生産部門との連携が多く、少しでもお客さまのヒアリングが足りないと、毎回、「情報が足りない!」と、よく怒られたものです。

例えば、あるカーナビゲーションをT社系列のメーカーが開発するとします。その際に必ず必要な情報として、生産開始の時期、試作完成の時期、生産予定数量、生産する期間、採用検討している部品などがありました。可能であれば、どの車種向けなのかの情報収集も行い、技術部門と連携する必要がありました。

こうした時にもし情報が足りないと、その都度、お客さまに聞き直さなければいけなくなります。それではお互いに二度手間ですよね。私は何度もこうした情報が不足して叱られた経験があったおかげで、必要な情報は、必ず商談時に質問して確認するクセがつきました。しかしこの時はただ情報を把握するだけで、「質問の上手な使い分け」ができている訳ではありませんでした。

お客さまのニーズを聞き出して提案する際には、少しでも多くの情報が必要です。その情報に合う商品を提案する必要があるからです。そんなときに、質問する意図、質問の狙いなどを使い分けができれば、営業マンとして1つ上のステップにいけることになります。

では、どのような質問に対してどのような効果があるのか、具体的に紹介していきましょう。

質問には大きく分けて、2種類あります。「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」です。分かりやすいように、まず「クローズドクエスチョン」から説明していきます。

相手の意思表示をハッキリさせる

●クローズドクエスチョン

「はい」「いいえ」で、答えられる質問のことを言います。

質問:今日の朝ごはんは食べましたか?

答え:はい or いいえ

このように、相手の意思を聞きたい場合や「YES・NO」をハッキリさせたい時にこの質問を使うことになりますが、会話としては続きません。

話が続かない場合は、この「クローズドクエスチョン」を多発している可能性が高いです。こういう状況を自覚した際には、「話を広げようと頑張っているが、“クローズドクエスチョン”になってしまっている」と意識しましょう。

例えば、営業の商談に入った時、雑談で場を作ろうと話しをしても

質問:今日は暑いですね

答え:はい、暑いですね〜

質問:最近、忙しいですか?

答え:はい、忙しいですね〜

と、ひと言で終わってしまいます。

これが、話を続けよう、広げようとしているにもかかわらず、「クローズドクエスチョン」を使ってしまっている場合です。このような質問だけで終わることはないとは思いますが、こうした質問ばかりしていると、話が続かないので要注意です。

ただし、「クローズドクエスチョン」には、別の側面で強い威力があります。それは、「はい」「いいえ」と、相手の意思表示をハッキリさせることができる質問だという点です。

商談で、買うか買わないかをハッキリさせるには、「クローズドクエスチョン」を使って、確認しなければなりません。ほかにも、商談での約束事を確認する時、会議でまとめをする時、次回までの宿題案件を確認する時などは、「○○と、○○でいいですね!」と確認し、「はい」となれば、そこで終わります。「ここが違います」となれば、再度、確認すればいいのです。

「クローズドクエスチョン」は、使いこなすのが苦手な人も多いのですが、「言った、言わない」を避けるためにも、とても重要なスキルなのです。

では、どのような質問を使えば話が続くのでしょうか?

それは、「オープンクエスチョン」を使えばいいのです。

具体的な内容を聞き出す

●オープンクエスチョン

「はい」「いいえ」で答えられない質問のことを言います。

質問:今日の朝ごはんは、何を食べましたか?

答え:パンと玉子焼きです。

というように、具体的な内容を聞き出すことができます。

この会話だけでは、ひと言で終わっているような感じに見えますが、「何を食べたのか?」がハッキリしました。営業の商談の場面でも、相手のニーズをつかむためなど、相手から情報を引き出すには、必須のスキルなのです。

さきほどの会話で、どのように話を展開していけば、話がつながるのでしょうか?

質問:今日は暑いですね。暑いとき、体調管理はどうされていますか?

答え:確かに、暑いですよね〜。エアコンの温度を下げすぎないように気をつけていますよ。

質問:最近、忙しいですか? どんな仕事が特に多いのですか?

答え:はい、忙しいですね〜。もうすぐ新製品が出るので、そのテストと検証作業に追われています。

というように、「オープンクエスチョン」を使うと、「はい」「いいえ」で答えられないので、話は続くようになります。特に、その中でも、「5W1H」を使って質問すると、話しが深まりやすいです。

5W1Hとは、ご存知のように

・When いつ?
・Who だれと?
・Where どこで?
・Why なぜ?
・What 何を?
・How どうやって?

です。

例えば、

質問:昨日の夜、何を食べましたか?

答え:カレーです

という会話になったとします。

人は、言葉を省略する生き物です。なので、普段からこれだけで会話が成り立ってしまいます。日常会話や慣れた人との会話の場合は、「なんとなくの雰囲気」で理解できてしまいます。ですが、ビジネスの現場では、勘違いをして間違えてしまう原因にもなるので要注意です。

実は、この中には、まだ、分からない要素がたくさん詰まっているのです。これを「5W1H」で分解し、ハッキリさせていくのです。

「5W1H」で詳しく分解​

カレーを食べたと言うことを、詳しく分解して確認していきます。

When「いつ?」
質問例:具体的に、何時にカレーを食べたのですか?
※自分の食事時間が、みんなに当てはまると思ってしまいがちです。
Who 「だれと?」
質問例:カレーは、だれと食べましたか?
※一人なのか、家族となのか、友達となのかは、聞いてみないと分かりません。
Where 「どこで?」
質問例:カレーを食べた場所は、どこですか?
※自宅だけとは限りません。カレーハウスかもしれません。
Why 「なぜ?」
質問例:なぜ、カレーにしたのですか?
※カレーを食べた理由があるはずです。
What 「何を?」
質問例:カレーの具材は何ですか?
※何カレーを食べたのかは、質問してみないと分かりません。「カツカレー」「コロッケカレー」「ビーフカレー」などなど、カレーも多岐にわたります。
How 「どうやって?」
質問例:どうやって食べましたか?
※例えば、カレーをライスで食べたのか、もしくはナンで食べたのか。これもより具体的に相手の情報を引き出す質問になります。

最初の質問では、「カレーです」と、カレーを食べたことしか分かりませんでしたが、場所、人、種類、時間などがハッキリしました。ここではあえてわかりやすくカレーの話を例にしましたが、お客さまとの会話の中でいろいろな情報を聞き出す時に、この「5W1H」の質問はとても使えるスキルなのです。

このように、「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」を使い分けることで、情報を引き出し、相手に行動を促したり、商談をまとめたりできるようになります。

ぜひ、この質問するスキルと意識して、効果的に使ってみて下さい。今までと違う会話の展開になるはずです。

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