Q:風邪を引いたり、お腹が痛くなったり、頭が痛くなったりして、お医者さんにかかることがありますが、いつも症状をうまく話せません。上手に伝えられるコツがありましたら、教えてください。(28歳・ビル管理会社勤務)

 A:何か症状があって受診する場合、いちばん重要なことは、症状を的確に伝えるということです。しかし、患者さんの中には話にまとまりがなく、医師が症状を把握するのに苦労することもあります。
 たとえば、こういう患者さんがいます。
 「最近、どうも体の調子がよくないんです。実は3年前に十二指腸潰瘍になったことがありましてね。2年前の会社の健康診断では、それは心配ないと言われました。そうそう、4年前にはアトピー性皮膚炎にもなったし、下痢が止まらなくなったこともありましたし…」
 患者さん本人は、過去に遡って健康状態や病気・症状を伝えたいのでしょう。しかし、初診の際にもっとも大事なのは今回の症状なのです。

●症状の経過を順序立てて説明しよう
 医者が診断する際に重要なものは、患者さんから得る情報です。情報を得るには、患者さんとのコミュニケーションが大切です。
 診察にみえた患者さんの今の症状は診察や検査などで把握できますが、病院に来るまでの症状は患者さんから聞き出すしかありません。
 症状に関しては、いつから症状が起きたか、どういう症状なのか、その症状は初めて体験するものなのかどうかなどがポイントです。
 症状の経過を順序立てて説明すると、医師によく伝わります。その内容は、言葉を駆使して伝えましょう。例えば頭痛の場合、ズキズキ痛むのか、重いような感じがするのかなど、いろいろな違いがあります。その区別がつくように、分かりやすい表現で伝えることが、医師の診断を助けます。筋道を立てて説明するのが苦手な人は、できれば診察を受ける前に整理し、メモしておくとよいでしょう。
 以上のように症状を的確に説明できると、医者と良好なコミュニケーションが築けるし、診断・治療に役立ちます。

中原英臣氏(山野医療専門学校副校長)
東京慈恵会医科大学卒業。山梨医科大学助教授、新渡戸文化短期大学学長等を歴任。専門はウイルス学、衛生学。テレビ出演も多く、幅広い知識、深い見解を駆使した分かりやすい解説が好評。