紅白戦ではアンカーの位置に入ったMF山口蛍

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 ダブルボランチの一角として10日のブラジル戦(1-3)に先発し、14日のベルギー戦(ブルージュ)に向けた12日の紅白戦ではアンカーの位置に入った日本代表MF山口蛍(C大阪)が、オートマティズムの重要性を訴えた。

「このサッカー自体は縦に速い」。ハリル戦術の基本スタイルから切り出した山口は「試合の中で修正しようとしても、どうしてもテンポが速いから、前の2人を呼んで話をするようなことは難しい。そうなる前に、このシチュエーションになったらこうなるというのを、チームで自然とできるようになるのがいい」と、共通理解の必要性を口にした。

 奪ってから縦に速く攻めるスタイルでは、当然ながらボールを保持してゆっくり考える時間はない。奪ったあとにすぐ攻めて、逆に奪われてカウンターを受けるというリスクにも備えなければいけない。考えずとも自然に連動できるレベルまで組織力を上げていくことが大事になるということだ。

 さらに、ハリル戦術は相手に合わせてハメるやり方でもある。ブラジル戦から中3日でシステムも選手の特徴もまったく違うベルギーを相手に戦うとあれば、ケーススタディをすべて叩き込むのは大変だ。

 ハリルホジッチ監督が現段階で理想としているのはW杯出場を決めた8月31日のアジア最終予選・オーストラリア戦(2-0)だが、「1試合だけならできるかもしれないけど」と山口は厳しい表情を見せる。

「本大会みたいに中2日、中3日ですぐに試合となると難しい。どこで(プレスに)行くのか、行くのか行かないのか。そこの戦い方はしっかりやらなくてはいけない」

 13年の代表デビューから4年が過ぎた。4年前との違いについては「あまり分からないです」と笑ってみせたが、「僕のポジションやセンターバックの選手から指示を出していかないといけないと思う」と、自覚は確実に高まっている。

 ブラジル戦に先発したMF長谷部誠はこの日の練習を別メニューで行い、短時間で切り上げた。長谷部はこのところ、3月に手術した右膝の影響で連戦をこなせない状況に直面しており、中3、4日でグループリーグ3試合を戦うW杯本大会でのフル稼働を計算するのは難しくなるかもしれない。ブラジルW杯を経験している山口に懸かる期待は自ずと増すだろう。

「強豪に勝てば雰囲気は良くなると思うけど、負けても引き分けても意味のある試合をして、負けてもポジティブに捉えられるなら良いと思う。1試合をうまく有効に使いたい」。2度目のベルギー戦をロシアW杯の試金石とするつもりだ。

(取材・文 矢内由美子)


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