上海市内のカフェ。照明や内装のセンスが洗練され、居心地のよい空間に変化してきている

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急速なキャッシュレス化により、何でもオンライン、ITで簡単にできてしまうようになった中国だが、実はカフェや書店といったアナログのカルチャーも充実してきている。また、誰かと会って会話することの重要性を見直すなど、早くも原点回帰と思えるような兆しが出始めている。(取材/写真/文・ジャーナリスト 中島 恵)

カフェ文化が充実している
中国の都市部

「ここに来るときにはスマホはできるだけ見ないようにしているんです。目も疲れますし、指もスマホの打ちすぎで腱鞘炎ぎみ。そんなものすごく疲れるIT生活から逃れて、たとえ週末だけでも自然に触れて、穏やかな時間を過ごしたいんですよ」

 上海在住の40代の夫婦はこう言うと、窓の外に広がる雄大な山の緑に目を移した。杭州にあるプチホテルに泊まったときのことだ。隣の席で朝食を食べていた夫婦は、ふだんは激務に追われているが、週末は子どもと3人でプチホテルで過ごし、スマホを触らずに子どもの話にじっくり耳を傾け、野山を歩くように心がけていると話していた。

 日本でも報道されているように、中国ではスマホを使った新ビジネスやイノベーションが続々と生まれ、誰もがその波に乗ろうと躍起になっている。

 都会で働くビジネスマンだったら、中国版LINEといわれるメッセージアプリ、ウィーチャットを使わない日は1日たりともないといっていい。

 だからこそ、スマホなどデジタル機器を使わないで、人と会話したり、読書する時間を大切にする動きが広がり始めている。

 例えば昨今、都市部のカフェ文化の充実ぶりには目を見張るものがある。私が出かけた杭州のカフェはどこも洗練されていて、「ここは東京?大阪?」と錯覚するほど。大人の会話を楽しめるような落ち着いた空間だった。

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