練習後、ファンの声援に応えるDF吉田麻也

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 相手の力はだれよりもよく分かっている。日本代表DF吉田麻也(サウサンプトン)は14日の国際親善試合で対戦するベルギー代表について、「タレントで言ったら、個々のメンツを見てもブラジルに引けを取らない。攻撃陣の決定力の高さ、チャンスをクリエイトする質の高さはすごい」と最大限に警戒した。

 10日のメキシコ戦(3-3)でゴールを決めたFWロメル・ルカク(マンチェスター・U)、FWエデン・アザール(チェルシー)をはじめ、MFケビン・デ・ブルイネ(マンチェスター・C)、FWケビン・ミララス(エバートン)、MFムサ・デンベレ(トッテナム)ら攻撃陣の多くは同じプレミアリーグでプレーしている。

 今季、エバートンからマンチェスター・Uに加入したルカクとは9月23日のプレミアリーグ第6節で対戦し、0-1の決勝点を決められている。13年11月の国際親善試合でもルカクが先発したベルギーと対戦しているが、4年前とは別人のように成長しているとの実感がある。

「強くて速くてうまい。4年前にやったときよりクリニカル(冷静)な部分で雑さがなくなって、より質の高い選手になっている。(以前は)足下に入ったときとかシュートのチャンスで雑さも見られたが、決定機を生かす確率が高くなっている。1つ2つのチャンスがあればモノにしてくると思うし、90分、(アディショナルタイムを含めて)95分、集中しないといけない」

 いかにしてベルギーの攻撃を抑えるか。アザールやデ・ブルイネといったパスの出どころから「いいボールが出てくるので、最初のところで止めないといけない」と、ルカクに入る前に抑えることもポイントになる。この日の紅白戦では控え組が3-6-1のシステムを組み、ベルギーを想定して攻守の確認を行った。

 ただ、練習ではうまくプレッシャーがかからず、いい形での守備ができなかった。「ハメ方がハッキリしていなかった。明確になっていなくて、不透明な部分が多い。こういう強い相手に対して、うやむやな状態では勝てない。(現在の日本代表は)ブロックを作ってカウンターにすべてを費やしている。それ自体が崩れてしまうと一番良くない」。そう率直に認め、「個の能力で向こうが秀でているならハードワークしないといけない。より緻密に、より繊細な準備をしないといけない」と危機感を募らせた。

「南ア(W杯)の前に闘莉王さんも言っていたけど、僕らはうまくないんだから、その差を縮めるにはガムシャラに、死に物狂いでやらないといけない。プレスも1回、2回と追いかけないといけないし、後ろももっと体を張らないといけない。ブラジル戦ではそういうガムシャラさが足りてなかった」

 自身のPK献上により開始10分で先制点を許した10日のブラジル戦(1-3)の反省も踏まえ、ベルギー戦では違った姿を見せられるか。来年のロシアW杯では第4ポットに入ることも決まり、開催国のロシアを除けば、ブラジルやベルギーを含めたFIFAランキング上位7チームと同組になる可能性は極めて高く、第2ポットにもスペイン、イングランド、コロンビア、メキシコ、ウルグアイといった強豪チームが入る。

「本気のチームともっとやらないといけない。ブラジル戦は僕の非でもあるけど、0-0のシリアスな時間を長くしないといけない。相手がギアを下げる前にどれだけ僕らができるかを測りたい」。90分間、“本気”のベルギーと対戦するためにも、ブラジル戦と同じ轍を踏むわけにはいかない。

(取材・文 西山紘平)


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