手洗い、うがい、マスク……。実はそれ以外で、あの身近なアイテムが風邪予防に役立つというのです

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のど飴で唾液中の抗菌蛋白質を味方につけられる?

予防接種が有効なのはインフルエンザだけ。普通の風邪予防法で思いつくのは、手洗い、うがい、マスクでしょう。しかし、もうひとつ、おすすめしたい有効な方法があります。のど飴をなめることで、抗ウイルス作用がある唾液中の抗菌蛋白質を味方につけるのです。人混みでの感染予防に効果が期待できます。以下で詳しく解説しましょう。

長引く・ツラい……予防が難しい鼻風邪ウイルス

風邪の原因となるウイルスは、多種多様。その中でも厄介なのが、鼻風邪ウイルスです。

ウイルスにはワクチンが有効と考えられがちですが、鼻風邪ウイルスは非常に多くの種類があります。他の風邪なら、一度かかれば免疫記憶ができますが、鼻風邪ウイルスの場合、一度かかっても違うタイプのウイルスがうようよしているので、新しいウイルス感染を予防できません。

全てに対してワクチンを作ることは不可能です。また、症状が軽いので積極的にワクチンも作られていません。

風邪予防に有効? まず試したいマスク

風邪にかかるきっかけで最も多いのは、ウイルスを持った人がくしゃみしたとき。空気中に飛んだウイルスを含んだ小さい体液から飛沫感染してしまいます。

さらに、ウイルスを含んだその飛沫はエレベーターのボタンや化粧室の取っ手、コピー用紙、PCのキーボードなどにも付着してしまうので、日常生活の中で自然と手についてしまう可能性が高いのです。手を顔の近くに持って行くだけで、結果的に飛沫を吸い込んでしまう可能性があります。

この飛沫からのウイルスを吸い込まないために、有効なのがマスク。しかし通常市販されているマスクは顔にぴったりと密着するわけでないので、10〜20%は、マスクの脇から吸い込まれてしまいます。風邪の予防策として、万全とはいえません。

風邪予防で味方につけたい自然免疫力……抗菌蛋白質とは?

個人にとって、新しい種類のウイルスだった場合、それまでの免疫記憶は役に立ちません。しかし動物には、免疫記憶に頼らない「自然免疫」と呼ばれる免疫があります。

中でも注目されているのが、天然の抗菌物質のひとつ、「抗菌蛋白質」と呼ばれるものです。免疫担当細胞の白血球が持っている蛋白質で、細菌や真菌、多くのウイルスと闘ってくれます。

この蛋白質は粘液中にもあるのです。風邪で鼻水が増加すると、抗菌蛋白質の量が増え、他のウイルスへの感染を防いでくれます。さらに鼻水だけでなくて、唾液中にもこの抗菌蛋白質はあります。唾液中の抗菌蛋白質を味方につければ、風邪を効率よく予防できる可能性があります。

風邪予防に試したい、のど飴の効果とは?

風邪のウイルスは気道感染。鼻腔かのどから感染します。風邪でのどがいがらっぽいときは、のどで炎症が起きている可能性が高いです。

唾液中の抗菌蛋白質は、本来は虫歯予防のために役立っていると推定されていますが、風邪にも有効です。そこで、のど飴の出番です。のど飴というと、咳を抑えたいときやのどがいがらっぽいときになめる人が多いようですが、のど飴をなめることで唾液が増加するので、炎症が起きているのどを一定時間洗うことができます。これにより、唾液中の抗菌蛋白質が、のどで微生物を抑えてくれる効果も期待できるのです。

風邪に感染しやすいのは、通勤途中の混んだ車両、エレベーター、化粧室、仕切りのない会議室など。そんなときには、のど飴で、のどを防御してみてはいかがでしょうか? 会議中はエチケットの問題がありますが、食後なら虫歯予防のために、飴の変わりにガムを噛むのも効果的です。

のど飴の過剰摂取に注意! お腹を壊さないよう適度な量を

一方で、現在手軽に手に入るのど飴を見ると砂糖ではない糖を使った製品が多いようです。低カロリーと虫歯予防の点からはメリットがありますが、これらの糖を大量に摂取することで、消化器症状が起きる可能性があります(もちろん個人差はありますが……)。

便秘傾向の方の場合は、逆に便秘が解消される場合もありますが、便秘が根本的に治るわけではありません。のど飴を中止すると、また便秘傾向に戻ります。いずれにしても、どんなものでも度を越えた摂取は健康によくありません。

必要な場で適度に活用して、効果的な風邪予防に役立てるのがよいでしょう。(文:西園寺 克)