スマホの4割以上が日系の電子部品を搭載しており、増山津二太陽誘電経営企画本部長は「特に高性能の積層セラミックコンデンサー(MLCC)など超高級(スーパーハイエンド)製品の需要が拡大している」とする。

 電気自動車(EV)向けも電子部品の搭載数は増加する見込みで、澤村諭ローム社長は「(EV向けでは)ボディー系やパワートレイン系でも大きく伸びていく」としている。

工作機械、受注10カ月連続増
 日本工作機械工業会(日工会)によると9月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比45・0%増の1490億8800万円で過去最高。10カ月連続で増加した。内需は27カ月ぶりに600億円を超え、外需は3カ月ぶりの850億円を超えた。

 4―9月は前年同期比33・2%増の8228億3500万円で、半期の過去最高を更新した。中国のスマートフォン(スマホ)向けの大口受注は前月から縮小したが、国内外の幅広い産業分野で設備投資が活発だった。

 内需は車向けが大幅に増加。完成車は08年のリーマン・ショック後初めて80億円を上回った。外需はスマホ向けの減少を中国の他の産業や欧州、米国が補った。

百貨店、免税売上高が最高
 日本百貨店協会がまとめた百貨店の9月の免税売上高は232億円で、訪日外国人の増加を追い風に7月に記録した過去最高額を更新した。前年同月比では86・4%増で10カ月連続の前年同月超え。

 10月も速報ベースで、大丸松坂屋百貨店と阪急阪神百貨店では同2倍となるなど、引き続き大きく伸びている。円安の進行に加え、主に関西では格安航空会社(LCC)の増便も後押ししている。

 14年秋―15年ごろのハイエンドブランドなどの高級品を求めるバイヤーらの“爆買い”とは異なり、現在は個人客が増え、人気も化粧品などに移った。円高や中国の関税引き上げ施策で16年夏に客単価は5万円台に落ち込んだが、17年9月には7万円に回復した。

東京・銀座の地価、バブル超え
 国土交通省による17年の都道府県地価調査(基準地価)では最高価格をつけた東京都中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」の地価が1平方メートル当たり3890万円と90―91年のバブル期を超え、75年の調査開始以来最高。不動産市場は世界的な金融緩和を背景に資金流入が続いている。

 不動産価格の過熱感を指摘する声もあるが、不動産キャップレート(期待利回り)と10年国債利回りの金利差は一定程度開いており、一部の例外を除けばバブル期のように理論的な説明がつかない水準までは高騰していないとの見方が支配的だ。

 投資対象にも広がりが出ており、地方中枢都市への投資が増加。対象物件も多様化し、ホテルや物流施設への投資が活発化している。