「綺麗な景色を一緒に見たい」。

このセリフは、『好き』という言葉より、好きな気持ちを伝えていると思う。当てはまるのは、十五夜の満月でもいいし、真夏の夜、湿度の高い空を埋める花火だっていい。自分が心から綺麗だと思うものを「一緒に見たい」と、あるいは、「見せてあげたい」と、素直に浮かんでくる人がいるのなら、それこそが“愛”ではないだろうか。

恋人に限った話ではなくて、家族や親友、同僚でも。

夜空を背景に輝くものたちは、日々の忙しさに追われて陰っていた心を、簡単にすくいあげてくれる。そしてほんとうに素直な、丸裸の感情と久しぶりに対面させてくれる。

もしも“心に浮かんだ人”と一緒に見上げるのなら、鼻を赤くするほどつめたくて、1年で一番澄んだ風をつれてくる、冬の空だとなおさらいい。

寒い日のコーヒーは2割増しでおいしい。つられて、「きれいだね」と言える人がいることも、2割増しでうれしい。

満天は、12月13日の夜

夜空に、今年ラストから2番目の流星群が訪れるのは12月13日。ふたご座流星群。

国立天文台』のリリースを見てみると、極大は14日の16時頃。冬の太陽でも、まだ日没には早くこの時間では見えないけれど、日本ではAM0:00前後に、1時間に約40個というピークを迎えるみたい。12日と15日の夜も、活発な流れ星を見れそう。

おすすめの場所は、とにかく見晴らしのいい場所……なんて、ありきたりなことは言わない。もちろん、空が広くて月明かりのないところが見やすいし、雲ひとつない、晴れの日になればいいなとも思っている。

けれど流星群の醍醐味は、きっと綺麗に見えることだけじゃない。たとえ曇って見えなくても、次の約束をつくる口実にはなるし、予定を流した雨のせいにして、行き先を居酒屋に変えたっていい。

「星が見えなくなったから」。

こんな理由をつけるのだから、大切な人との約束がいい。今年最後の充実した流星群も、2割増しのコーヒーも、この日しか使えない言い訳も、共有するなら“とびきり好きな人”じゃないと、もったいない。

流星群は誰にでも平等に、「楽しみに待つ」というきっかけをくれる。そんな夜が、もうすぐ来る。

醍醐味は、すでにはじまっている。

Reference:国立天文台