『わろてんか』松坂桃李はなぜモテる? 広瀬アリス、葵わかならを狂わせる魅力

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 『わろてんか』第6週「ふたりの夢の寄席」では、北村屋を売り払った啄子(鈴木京香)と藤吉(松坂桃李)、てん(葵わかな)が、大阪の船場を離れ、天満に住居を移す。そこは、売れない芸人たちが住む貧乏長屋の一角。「大阪天満編」としてスタートした今週は、芸人仲間のアサリ(前野朋哉)、寄席の元席主である亀井庄助(内場勝則)など新たな人物が続々と登場する。てんの恋敵であるリリコ(広瀬アリス)は、年の離れたご贔屓から後添いになれと迫られたのをきっかけに、藤吉へと言い寄る。藤吉を巡る、リリコとてんの一波乱は、今週の山場の一つでもあった。

(参考:『わろてんか』第6週 場面写真

 藤吉にとってリリコは、芸人一座の頃に旅をした妹のような存在。しかし、リリコにとっての藤吉は家族のような良き理解者であり、身売りされそうになった自分を助けてくれた心を寄せる相手だ。色鮮やかな着物を纏い、艶やかな雰囲気を漂わせる娘義太夫のリリコは、突如現れたライバルのてんに意地悪な態度を見せる、物語の恨まれ役。けれど、その態度とは裏腹に藤吉の前では純な女性でもある。ご贔屓に言い寄られていることを藤吉に打ち明けたリリコは、「あんた、あの子と本気で一緒になるつもりか?」と後添いになってやると藤吉に迫る。藤吉は、「自分を粗末にすな! お前にはお前に合うた男が必ずいる!」と返すが、てんを選んでいる男が説得しても、リリコに響くことはない。

 2人の痴話げんかを小屋の外から聞いていた口の軽いアサリは、てんや啄子にその出来事を伝えて回る。手にしていた桶を落としショックを露わにしたてんは、藤吉の袖を握り、やきもちを焼いてみせる。「こんなことしてはる暇があるんやったら」と持ち前の明るさで笑い飛ばすてんだが、先週の物語では藤吉がリリコの長屋で寝そべっているところを目撃しており、嫉妬心が積もっていたのだろう。

 リリコと似て、息子の可愛さのあまりてんに裏腹な態度を取ってしまう啄子も、今回ばかりはてんに「悋気は損気やで」と、やきもちは一銭の特にもならないと諭す。喧嘩は弱く、芸人としても鳴かず飛ばず、嘘もつく藤吉は、駄目な男には変わりないが、真摯な態度は誰にも負けない。寄席の開業に必要な五百円をてんの実家、京都の藤岡屋から借り入れできたのも、ハツ(竹下景子)が彼の心情を感じ取ったからである。

 第7週「風鳥亭、羽ばたく」では、藤吉とてんの夢の寄席「風鳥亭」が開業。そこに、伊能栞(高橋一生)が足を運び、初めて藤吉と伊能が対面する。てんを中心とした『わろてんか』の相関図は、さらに複雑になっていきそうだ。

(渡辺彰浩)