iPhone Xに「緑の線」不具合・工場作業にパワードスーツ・「バグ」で勝手に録音するバイブ: #egjp 週末版100

 

1週間のあいだに拾いきれなかったニュースをいくつかピックアップしてお届けします。今回は「iPhone Xに"緑ライン"の不具合」「フォードが工場作業用パワードスーツを試験採用」「"バグ"で勝手に録音するバイブ」といった話題を取り上げました。

iPhone Xの一部で画面端に緑の線が出る不具合


開始から数分で予約完了したにもかかわらず、いまだ本予約や入荷の通知が来ないと嘆くユーザーのツイートも散見されるこの週末ですが、一方で初期ロットの製品には不具合がつきものという考え方もあります。海外掲示板サイトRedditやアップルのコミュニティでは、iPhone Xの画面右端に常時緑色の線が表示されてどうしようもないという明らかな不具合に遭遇している人もいる模様です。

この不具合はiPhone Xを再起動してもなおるわけではないことから、おそらくはハードウェア的な不具合と考えられます。設定や使い方で回避できない以上、おそらく初期不良による本体交換で対応されることになるはずなので、仮にこの問題に遭遇したとしても焦る必要はありません。また報告例はそれほど多くはない模様です。

iPhone XはOLEDディスプレイを採用する初めてのiPhoneです。しかもそれはサムスンが製造するカスタムパネルということもあり、アップルはOLEDパネルに関するノウハウがまだ不足した状態と言えるでしょう。しかもサムスンはGalazy S8のOLEDパネルにも問題を抱えていました。こうしたハードウェア面の問題は生産数が増えるにつれてこなれていくはずです。



フォード、工場労働者にパワードスーツを供給


ロボット外骨格、わかりやすく言えばパワードスーツは、戦場で兵士のサポートをする目的から、四肢麻痺などをもつ人が自らの力で歩くのをサポートする医療分野での使用などが一般によく紹介されます。しかし、より多くの人が使うことを想定したものでは、工場の生産ラインでの作業にこれを使うというアイデアがあります。

米フォードでは、自動車部品を頭の高さに持ち上げて取り付ける作業を行う作業員のために、工場向けに設計された上半身用の外骨格ベスト「EksoVest」を採用、試験運用を実施しています。この外骨格ベストは約7kgの重量物を軽々と持ち上げられます。

フォードでは、たとええばラインに吊り下げられた車体下面に部品を取り付ける工程で、1日4600回、年間100万回も上を見上げた状態での作業が行われるとしており、作業員は首や肩、腕に大きな負担を強いられます。しかし、このExoVestを使うことで作業員の負荷が軽減され、災害発生件数で言えば2005年の頃に比べて約83%もの改善効果があったとのこと。なぜ2005年と比較したのかはさておき、作業員の負担軽減に効果があるのは確かなようです。

フォードは現在米国内の工場2か所でExoVestを試験運用しており、欧州および南米の工場でもそれぞれテスト導入を行う予定としています。

勝手に音声を録音するアダルトグッズみつかる


とあるRedditユーザーが、カップルがインターネット経由で互いに「高め合える」アダルトグッズLovense用のアプリに、無断でマイクをオンにし、録音する機能が仕込まれていることを報告しました。

Lovenseは男性用が使う凹型器具と、女性が使う凸型器具をモバイルアプリを介して接続し、両者のアクションを双方向で伝えあえるハイテク(?)マシン。たとえ離れていようとも、互いに"夜のお手合わせ"ができる道具です。

問題の昨日が発覚したのは、Android版の専用アプリをインストールしたユーザーが、ストレージ内にtempSoundPlay.3gpという名の見慣れぬオーディオファイルが作成されているのに気づいたため。アプリはインストール時にメッセージ送信用としてマイクやカメラへのアクセスをリクエストしするものの、録音動作はユーザーに通知しません。

Lovenseの代理人と称する人物は報告に対して、Reddit上で「マイナーなバグ」として最新アップデートですでに問題が取り除かれたと語りました。またLovenseはウェブサイトに「ユーザーの"機密データ"は暗号化され、サーバーを通さずP2Pでやり取りされる」と主張しています。

とはいえ、ネット機能を持つアダルトグッズからユーザーに関する情報が漏れる事例はこれが初めてではありません。お互い離れていてもそばにいるように"感じたい"気持ちはまあ、わからなくもないものの、そこに第三者が息を殺して潜んでいる可能性を考えると、次に会うまでの間ぐらい我慢するかひとりでなんとかしたらどうか、と思わざるをえません。

なおこの"バグ"はAndroid版アプリにのみ存在し、iOSデバイスでは心配はないとのこと。

死なない恒星


太陽よりも8倍以上大きな恒星は、一般にその生涯の終わりに非常に明るく輝く超新星爆発と呼ばれる現象を2〜3か月間継続し、その後は次第に輝きを失って中性子星やブラックホールになる、と一般的に考えられています。ところが、ハワイにあるケック天文台が、超新星爆発後も光り輝き続ける、ある意味根性のすわった星を発見しました。

iPTF14hlsと名付けられたこの超新星は、過去50年の間に何度か超新星爆発状態になっていることがわかりました。天文台の研究者らは2014年にまずこの星に注目しました。このときは単に恒星の明滅現象だと考えていたものの、スペクトラムを分析した結果、約5億年離れた位置にある超新星だと判明。

しかし通常ならすぐに暗くなっていくはずのところが、明るさの変化こそあれまったく消える様子がありません。そこでこの星の方向の記録を調べてみたところ、同じ場所で1954年にも超新星爆発が観測されていたことから、この星が何度も超新星爆発を起こしては復活するという謎のループ現象を繰り返して来たと推測されました。

まるでラノベにありがちなタイムループを地で行くような話に、この星の観測を続ける研究者Iair Arcavi氏は「研究人生最大のパズルだ」としています。ただ、この恒星は太陽の50倍以上の大きさがあることから、最初の発見以降ずっと超新星爆発状態"が継続している可能性や、この星が超新星爆発に対する反物質をもっている可能性なども考えられています。



自作アイアンマンスーツがギネス認定


空を飛べる自作アイアンマンスーツ「Daedalus(ダイダロス)」で話題になった英国の実業家リチャード・ブラウニング氏が、時速約52kmで飛行する記録を打ち立て「身体で制御するジェットスーツの最高速」としてギネス認定されました。

今年3月に世界中で話題となったこのスーツは、市販を目指すものの1式約5万ドルものコストがかかるとされていました。しかし、その後いくつかのパートナーシップを得たことでコストは相殺され、市販に向けて設立した会社Gravityは早期の資金調達ラウンドで数十万ドル以上を獲得しているとのこと。